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浄水とは?水道水との違い・浄水器の水はそのまま飲めるか、保存のしかたとミネラルウォーターとの違い

浄水とは?キッチンの蛇口の浄水器からコップに水を注ぐイラスト。窓の外に浄水場が見える 浄水器
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浄水器の切り替えレバーにある「浄水」、浄水場の「浄水」、ペットボトルの水の説明に出てくる「浄水」。同じ言葉なのに、指しているものが少しずつ違うと感じたことはありませんか?「浄水とは結局どんな水なのか」「水道水と何が違って、そのまま飲めるのか」も気になるところではないでしょうか?

この記事では、「浄水」という言葉の意味を、水道法の条文、水道局の案内、浄水器の業界団体やメーカーの公開情報を調べて整理しました。水道水との違い、保存のしかた、味やにおい、ミネラルウォーターとの違いまでまとめています。

先に結論をいうと、浄水器の水は、説明書どおりに管理している浄水器に水道水を通したものなら、そのまま飲めます。ただし、消毒用の残留塩素が減っているので、ためておかずに早めに使うのが基本です。

この記事のポイント

  • 「浄水」には、①浄水場で原水を処理して水道水にすること・その水、②家庭の浄水器を通した水、の2つの意味がある
  • 水道水は水質基準(52項目)に適合し、蛇口で残留塩素を保つよう法律で決められている。浄水器を通すと、この残留塩素が大きく減る
  • そのため浄水器の水は、水道水のくみ置きより早めに使う必要がある。ミネラルウォーターは食品衛生法の清涼飲料水で、水道水とは制度が別
  1. 浄水とは?「浄水場の浄水」と「浄水器の浄水」の2つの意味
    1. 辞書での「浄水」の意味
    2. 水道法での「原水」と「浄水」
    3. 浄水器の「原水」と「浄水」
  2. 浄水と水道水の違い
    1. 水道水は「水質基準」と「残留塩素の保持」が決められた水
    2. 浄水器の水は「残留塩素を減らした水道水」
    3. 保存・くみ置きの扱いが水道水と変わる
    4. 味・においの違い
  3. 浄水は飲める?ミネラルウォーターとの違い
    1. 浄水器を通した水道水はそのまま飲める
    2. 浄水器でも「そのまま飲める」の前提が変わるケース
    3. 浄水とミネラルウォーターの違いは「制度」
    4. 浄水のミネラルはどうなる?
  4. 浄水と水道水についてよくある質問
    1. 浄水器の水で作った麦茶やお茶は、どのくらいもちますか?
    2. 災害用に水をためるなら、浄水と水道水のどちらがいいですか?
    3. 浄水器の水を沸かして使ってもいいですか?
    4. 朝いちばんの浄水は捨てたほうがいいですか?
    5. ポット型浄水器でろ過した水も、1日以内に使ったほうがいいですか?
    6. 浄水器の水を赤ちゃんのミルクに使ってもいいですか?
    7. 冷蔵庫の自動製氷に浄水器の水を使ってもいいですか?
    8. 「浄水」と「純水」は同じものですか?
  5. まとめ:浄水とは「処理してきれいにした水」。水道水との主な違いは残留塩素
    1. この記事で参考にした主な一次情報

浄水とは?「浄水場の浄水」と「浄水器の浄水」の2つの意味

浄水とは、処理してきれいにした水のことです。飲み水の話では、「浄水場で処理した水道水」と「家庭の浄水器を通した水」の2つを指します。

辞書での「浄水」の意味

浄水とは、もともと「きれいな水」や「水をきれいにすること」を表す言葉です。

コトバンクに収録された国語辞典では、「清らかな水」「神社で手を洗い清める水」といった意味と並んで、「濾過したり消毒したりした清浄な水」(デジタル大辞泉)、「薬品や濾過装置などによって水を清浄にすること。また、その水」(精選版日本国語大辞典)と説明されています。飲み水の話で使われる「浄水」は、このうち「処理してきれいにした水」の意味です。そして、その処理を誰がどこで行うかによって、指すものが2つに分かれます。

浄水場で川の水を処理してつくる水道水と、家庭の浄水器で水道水を通してつくる水という、「浄水」の2つの意味を並べた図
①水道事業での浄水②浄水器の浄水
どこで浄水場家庭の浄水器
もとの水(原水)川・湖・ダム・地下水など水道水
処理沈殿・ろ過・消毒など活性炭・中空糸膜などでろ過
できた水水道水として各家庭へ送られるその場で飲み水・料理に使う

水道法での「原水」と「浄水」

水道法の条文では、取り入れたままの水を「原水」、水質基準に合うように処理した水を「浄水」として使い分けています。

水道法のうち、水道施設が備えるべき要件を定めた第5条では、浄水施設について「原水の質及び量に応じて、前条の規定による水質基準に適合する必要量の浄水を得るのに必要なちんでん池、濾過池その他の設備を有し、かつ、消毒設備を備えていること」としているためです。同じ条文で、送水施設は「必要量の浄水を送る」施設、配水施設は「必要量の浄水を一定以上の圧力で連続して供給する」施設とされています。札幌市水道局も浄水場の解説で、「原水に含まれる砂やにごりを取り除いて、消毒して飲むことのできる水道水に処理することを『浄水』といいます」と説明しています。

水道の用語意味
原水川・湖・地下水などから取り入れた、処理する前の水
浄水浄水施設で水質基準に適合するよう処理した水
給水装置水道管(配水管)から分かれて各家庭に引き込まれた給水管と、そこにつながる蛇口などの器具(水道法第3条)

浄水場でどんな工程を経て水道水になるかは、「浄水場の仕組みを図で徹底解説」や「【小学生向け】浄水場の仕組み」で紹介しています。

浄水器の「原水」と「浄水」

家庭の浄水器では、浄水器に入る前の水道水を「原水」、浄水器を通した水を「浄水」と呼びます。

浄水器は水道水を前提にした器具なので、浄水器にとっての「もとの水」は水道水になるためです。蛇口直結型や据置型の切り替えレバーにある「原水」は、浄水器を通さない水道水そのもの、「浄水」はフィルターを通した水を指します。浄水器協会は使い方のQ&Aで、洗い物には原水、飲み水には浄水と使い分けるよう案内しています。浄水器そのものの定義や種類は「浄水器とは?」、切り替えの仕組みは「浄水器の仕組みとは?」で解説しています。

浄水と水道水の違い

浄水器の水と水道水の代表的な違いは残留塩素の量で、そのために保存のしかたも変わります。ほかにどんな物質を減らせるかは、製品によって違います。

水道水は「水質基準」と「残留塩素の保持」が決められた水

水道水は、水道法の水質基準に適合し、さらに蛇口の時点で消毒用の塩素が一定量残っているように管理されている水です。

水道法第4条で水道水が備えるべき要件が定められ、具体的な基準は環境省の水質基準項目(52項目)として決められています。あわせて水道法施行規則第17条で、水道事業者は「給水栓における水が、遊離残留塩素を〇・一mg/l(結合残留塩素の場合は、〇・四mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること」とされています。浄水場を出た水が水道管を通って蛇口に届くまで、消毒の効果を保つための決まりです。

なお水道法第4条は、水道水の要件のひとつに「異常な臭味がないこと」を挙げつつ、「消毒による臭味を除く」としています。いわゆるカルキ臭は、法律上も消毒にともなうものとして扱われています。52項目の内容は「水道水の水質基準とは?52項目をわかりやすく解説」で詳しくまとめています。

浄水器の水は「残留塩素を減らした水道水」

浄水器を通した水は、水道水から残留塩素などを減らした水で、ミネラルなど多くの成分はもとの水道水とあまり変わりません。

家庭用品品質表示法では、浄水器を「水道水から残留塩素を除去する機能を有するもの」と定めており(消費者庁)、主流の活性炭+中空糸膜の浄水器はミネラル成分を除去しないと浄水器協会が説明しているためです。水道水と比べて、何が変わり何が変わらないかを整理すると次のようになります。

項目水道水(蛇口から直接)浄水器の水(活性炭+中空糸膜の場合)
残留塩素蛇口で一定量以上が残っている大きく減る(わずかに残ることもある)
カルキ臭感じることがある和らぐ
表示された物質(総トリハロメタンなど)水質基準の範囲内製品の表示の範囲で減る
ミネラル・硬度地域の水道水によるもとの水道水とほぼ同じ
水の基準水道法の水質基準浄水された水そのものの法的な基準はない(器具に表示義務)

なお、残留塩素が必ずゼロになるわけではありません。浄水器協会はQ&Aで、浄水器は除去率80%以上と定められているので、遊離残留塩素などが「わずかに残る可能性があります」としています。どの物質をどれだけ減らせるかは製品ごとに違うため、パッケージの品質表示(浄水能力)で確かめます。

残留塩素が減ることには、注意点もあります。東京都水道局はよくある質問で、浄水器について「器具内に滞留した水は残留塩素が無くなるため雑菌が繁殖し易くなることがあります」と案内しています。浄水器で残留塩素が減っているかを確かめる方法は「浄水器の効果を検証する方法とは?」で紹介しています。

保存・くみ置きの扱いが水道水と変わる

浄水器の水は、水道水のくみ置きと同じ感覚で保存せず、早めに使い切る必要があります。

水道水が日持ちするのは残留塩素の消毒効果があるからで、浄水器を通すと残留塩素が大きく減り、その効果が弱くなるためです。それぞれの案内を並べると、次のようになります。

災害用などのくみ置きには蛇口から直接くんだ水道水をふた付き容器でためておき、浄水器の水は冷蔵庫に入れて早めに使い切るイメージ
水保存の目安・案内出典
水道水(蛇口から直接くみ置き)直射日光を避けて常温で3日程度、冷蔵庫で10日程度東京都水道局
浄水器の水冷蔵庫で保存する場合は1日以内。常温はなるべく早めに浄水器協会
浄水器の水製品の表示に「浄水した水はできるだけ早く使用する旨」の注意が入る消費者庁

東京都水道局は、くみ置きをするときは「浄水器を通したり、沸かしたりすると、消毒用の塩素が除去されてしまいます。必ず蛇口から注ぎ、沸かさずに保存しましょう」と案内しています。災害への備えなどで水をためておくなら、浄水器を通さない水道水を使うのが水道局の案内に沿った方法です。浄水器の水は、使う分だけその都度用意するのが基本と考えられます。

  • 浄水器の水や浄水で作ったお茶を冷蔵庫に入れる場合も、浄水器協会は1日以内に使うよう案内している
  • 朝いちばんや長時間使わなかったあとは、浄水器や配管にたまっていた水をしばらく流してから使う(捨て水)
  • くみ置きした水道水は、雑菌が入らないよう直接口を付けずにコップに注いで飲む(東京都水道局)

味・においの違い

浄水器の水と水道水の味の違いとして、水道局の説明で分かるのは主に「カルキ臭」の差です。

東京都水道局のよくある質問によると、カルキ臭は主に消毒用の塩素と、原水に含まれるアンモニア態窒素などが反応してできる「クロラミン」のにおいです。このにおいは、浄水器を通すほか、湯冷ましにする(沸騰後にふたを半開きにして弱火で5〜10分ほど加熱し、室温まで冷ます)、レモン汁を数滴加える、といった方法でも取り除けるとされています。

一方、「おいしさ」そのものは人によって感じ方が違います。東京都水道局はよくある質問で、おいしい水を一概に決めることはできないとしたうえで、当時の厚生省の「おいしい水研究会」がまとめた要件を紹介しています。同局のページに載っている要件は次のとおりです。

項目おいしい水の要件
蒸発残留物(ミネラル分など)30〜200mg/L
硬度10〜100mg/L
遊離炭酸3〜30mg/L
過マンガン酸カリウム消費量(有機物の目安)3mg/L以下
臭気度3以下
残留塩素0.4mg/L以下
水温最高20℃以下

この表のうち、一般的な浄水器が変えるのは主に残留塩素で(ほかに減らせる物質は製品の表示で確認できます)、ミネラル分や硬度はもとの水道水に左右されます。同局は水温について、およそ15〜20℃の水がもっともおいしく感じられるといわれている、とも紹介しています。浄水器の水を料理や飲み物に使う話題は、「浄水器の水でご飯を炊くと美味しくなる?」や「浄水器の水で白湯を作るとどう変わる?」で扱っています。

浄水は飲める?ミネラルウォーターとの違い

浄水器の水は、説明書どおりに管理していればそのまま飲めます。ミネラルウォーターとの違いは、主に法律上の扱い(制度)です。

浄水器を通した水道水はそのまま飲める

浄水器を通した水道水は、浄水器を説明書どおりに管理していれば、そのまま飲める水として案内されています。

浄水器協会はQ&Aで、「適切な維持管理(メンテナンス)が行われている浄水はそのままお飲みいただけます」と答えています。もとの水道水についても、東京都水道局は「水道法に基づく水質基準に適合しておりますので、安心してそのままお飲みいただけます」と案内しています(よくある質問)。浄水器の水をそのまま飲むうえでの前提をまとめると、次のとおりです。

  • カートリッジを表示された取替時期の目安までに交換している
  • 朝いちばんや長時間使わなかったあとは、捨て水をしてから使う
  • 浄水した水は早めに使い、保存するなら冷蔵庫で1日以内(浄水器協会)
  • 浄水器に通しているのが水道水である

浄水器でも「そのまま飲める」の前提が変わるケース

次のような場合は、浄水器を通していても「そのまま飲める」の前提が崩れるので、取扱説明書やメーカーの案内を確認します。

  • カートリッジの取替時期を過ぎた:浄水器協会は、取替時期を過ぎて使うと「衛生性の悪化」や性能の低下などの懸念があるとして、メーカー推奨の時期を目安に交換するよう案内している
  • 旅行などで長く使わなかった:浄水器協会は、一度水を通したカートリッジを長く使わなかった場合は「衛生面の懸念」があるとし、再開のしかたは取扱説明書やメーカーで確認するよう案内している
  • 表示にない物質が気になる:除去性能が示されているのは、製品の品質表示にある物質だけ。表示にない物質を減らせるかどうかは分からない。表示の読み方は「浄水器とは?」で解説している
  • 水道水以外の水に使う:浄水器協会は、井戸水は水質検査で飲用に適すると確認された場合に使えるとし、海外の水道水など日本の水質基準に適合していない水では「浄水性能や安全性、衛生性の保証はできません」としている

井戸水と浄水器の関係は「浄水器は井戸水対応できる?」「【井戸水】浄水器は本当に必要?」、井戸水そのものは「井戸水とは?」で整理しています。

浄水とミネラルウォーターの違いは「制度」

浄水(水道水・浄水器の水)とミネラルウォーターのいちばん大きな違いは、どの法律の枠組みで管理されているかです。

水道水は水道法で管理される一方、ミネラルウォーターなど容器に詰めた水は食品で、食品衛生法の「清涼飲料水」にあたるためです。厚生労働省が示す清涼飲料水の規格基準では、「ミネラルウォーター類(水のみを原料とする清涼飲料水をいう。)」に、殺菌・除菌をするかどうかで別々の基準が設けられています。

水道水浄水器の水ミネラルウォーター類
根拠になる法律水道法器具に家庭用品品質表示法(表示義務)食品衛生法(清涼飲料水)
水の基準水質基準52項目、蛇口で残留塩素を保持浄水された水そのものの基準はない清涼飲料水の規格基準
手に入れ方蛇口から家庭で浄水器を通す容器入りの商品を買う

容器入りの水には、ミネラルウォーター類の品質表示ガイドラインで「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」「飲用水またはボトルドウォーター」という品名の区分があります。原材料名には原水の種類を書くことになっていて、その例には「水道水」も含まれます。つまり、水道水を原水にして容器に詰めた水も、商品としては食品の扱いになります。ミネラルウォーターの詳細は「ミネラルウォーターとは?」、天然水は「天然水とは?」、費用の比較は「浄水器とペットボトル・ミネラルウォーターはどっちが安い?」で解説しています。

浄水のミネラルはどうなる?

一般的な浄水器を通した水のミネラルは、もとの水道水とほぼ同じです。

カルシウムやマグネシウムは水に溶けたイオンで、主流の中空糸膜の網目を通り抜けるためです。浄水器メーカーのクリンスイも公式サイトで「カルシウムやマグネシウムは網目を通るので、ミネラル分は残っている」と説明しています。ミネラルまで大きく減らすのは逆浸透膜(RO膜)を使う浄水器で、その仕組みは「浄水器の逆浸透膜(RO膜)とは?」で解説しています。ミネラルの量を気にする場合は、浄水器の水か水道水かよりも、もとの水道水の硬度や、買う水のラベルの成分表示を見るのが分かりやすい方法です。

浄水と水道水についてよくある質問

浄水器の水で作った麦茶やお茶は、どのくらいもちますか?

冷蔵庫に入れて1日以内が目安です。浄水器協会はQ&Aで、浄水器を通した水は塩素が除かれているので、浄水や浄水で作ったお茶などを冷蔵庫に保存する場合は1日以内に使うよう案内しています。常温の場合は、なるべく早めに使うこととされています。

災害用に水をためるなら、浄水と水道水のどちらがいいですか?

浄水器を通さない水道水です。東京都水道局は、くみ置きには浄水器を通さず、沸かさずに、蛇口から直接注いだ水道水を使うよう案内しています。清潔でふたのできる容器に口元まで入れ、常温で3日程度、冷蔵庫で10日程度が目安です。保存期間が過ぎた水は、トイレなどの生活用水に使うよう案内されています(くみ置く際の留意事項)。

浄水器の水を沸かして使ってもいいですか?

浄水器の水を沸かして料理や飲み物に使うことはできます。ただし、浄水器そのものにお湯を通すのは避けます。浄水器協会は、浄水は35℃以下の水で使うよう案内しています。沸かした水も残留塩素が減っていて、水道水より日持ちしないので、作ったら早めに使い切ります。白湯については「浄水器の水で白湯を作るとどう変わる?」をご覧ください。

朝いちばんの浄水は捨てたほうがいいですか?

はい、最初の水は流してから使います。浄水器協会は、朝いちばんの使用時には、給水管に残った水や浄水器の出口付近にたまった水を流してから使うよう案内しています。消費者庁の表示ルールでも、夜間など長時間使わなかった場合に「適切な放流時間をとる旨」が使用上の注意の項目に含まれています。何秒流すかは製品ごとに違うため、取扱説明書で確認してください。

ポット型浄水器でろ過した水も、1日以内に使ったほうがいいですか?

ポット型でも、冷蔵庫に入れて早めに使い切るのが基本です。ポット型でろ過した水も、浄水器を通して塩素が減った水であることは同じだからです。浄水器協会は浄水全般について「冷蔵庫で1日以内」を目安としていますが、ポット型に限った案内ではありません。製品ごとの保存の目安や使い方、お手入れは、取扱説明書で確認してください。ポット型の選び方は「浄水ポット」の記事で紹介しています。

浄水器の水を赤ちゃんのミルクに使ってもいいですか?

粉ミルクを溶かすお湯は、使う水の種類にかかわらず、一度沸騰させた70℃以上のお湯にします。厚生労働省が紹介しているWHO・FAOの「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」では、粉ミルクを溶かすお湯を70℃以上にすることが示されています。これは粉ミルクに含まれている可能性がある細菌への対策で、浄水器の水だから必要になる手順ではありません。浄水器協会もQ&Aで、浄水を粉ミルクに使う場合について、さらに安心を求めるなら煮沸してから使うようすすめています。

作り方や量は粉ミルクの缶・箱の表示に従い、気になることがあれば、かかりつけの医療機関や自治体の相談窓口に確認してください。浄水器の水を使う場合も、カートリッジの交換や捨て水など、ふだんの管理ができていることが前提です。

冷蔵庫の自動製氷に浄水器の水を使ってもいいですか?

使える機種もありますが、すすめられているのは水道水です。たとえばシャープは冷蔵庫のサポート情報で、自動製氷には塩素消毒された水道水をすすめ、浄水器の水など塩素消毒されていない水を使う場合は雑菌やカビが繁殖しやすくなるため、給水タンクをこまめに手入れするよう案内しています。使える水は機種によって違うので、冷蔵庫の取扱説明書で確認してください。

「浄水」と「純水」は同じものですか?

同じではありません。一般的な浄水器の浄水は、残留塩素などを減らしてもミネラルはほぼ残った水です。一方、「純水」と呼ばれる水は、逆浸透膜やイオン交換などで溶けている物質をほとんど取り除いた水を指すことが多く、ミネラルも大きく減っています。逆浸透膜については「浄水器の逆浸透膜(RO膜)とは?」で解説しています。

まとめ:浄水とは「処理してきれいにした水」。水道水との主な違いは残留塩素

この記事では、「浄水」という言葉の意味と、水道水・ミネラルウォーターとの違いを、水道法や水道局、業界団体の公開情報をもとに整理しました。

「浄水」は、浄水場で原水を処理してできる水道水を指す場合と、家庭の浄水器を通した水を指す場合があります。水道水は水質基準に適合し、蛇口で残留塩素を保つよう決められた水で、浄水器の水はそこから残留塩素などを減らした水です。そのため浄水器の水はカルキ臭が和らぐ一方、水道水より日持ちしません。ためておくなら蛇口から直接くんだ水道水、浄水器の水は早めに使い切る、と使い分けるのが、水道局や業界団体の案内に沿った方法です。

この記事で参考にした主な一次情報

いずれも2026年10月に内容を確認しています。

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