浄水型ウォーターサーバーの導入を考えているものの、「カビが生えやすいらしい」という話を聞いて不安になっていませんか?
すでに使っている方も、給水口やタンクのお手入れを何から始めればいいのか迷うことがあるかもしれません。
この記事では、浄水型ウォーターサーバーにカビが発生しやすい理由と場所、日々のお手入れ方法、やってはいけないNG行動まで解説します。導入前に購入方法で迷っている方は浄水型ウォーターサーバーは買い切りできる?レンタルとの違いと選び方もあわせてご覧ください。
浄水型ウォーターサーバーになぜカビが生えやすいのか
水道水を使う仕組み上、水分が残りやすい
浄水型ウォーターサーバーは、宅配のボトル型と違って水道水を注ぎ足したり、水道管から直接給水したりする仕組みのため、給水口やタンク周りに水分が残りやすい構造になっています。
ボトル型のように密閉されたボトルを差し込むだけの構造ではなく、水道水を扱う分、外気に触れる部分や水滴が付着する部分が増えるからです。
特に、給水口(蛇口の出口部分)や水を受ける受け皿(ドリップトレイ)は、日常的にコーヒーの飛び散りや水滴が溜まりやすく、放置するとカビや雑菌のエサになってしまいます。
また、浄水器のフィルターは水道水に含まれる残留塩素(消毒成分)も吸着・除去する仕組みになっているため、浄水後の水は殺菌処理済みのボトル型の水に比べて、雑菌の繁殖を抑える働きが弱くなる点も、こまめなお手入れが必要とされる理由のひとつです。

「水道水を使うタイプだから汚れやすい」のではなく、「水分が残りやすい構造だから、お手入れを習慣化する必要がある」と捉えると、対策のイメージがつきやすくなります。
カビ・ピンク汚れが発生しやすい場所
浄水型ウォーターサーバーの中でも、特に注意したい場所は「給水口」「受け皿」「補充用タンク(水道補充型の場合)」の3箇所です。
いずれも水や水滴が滞留しやすく、掃除の手が届きにくかったり、つい後回しにしがちな部分だからです。
お手入れを怠ったときに起きやすい症状は以下の通りです。
ピンク色の汚れを見ても「カビが生えた」と過度に不安になる必要はありませんが、放置してよいものでもないため、見つけたら早めに拭き取ることが大切です。
カビを防ぐお手入れ方法
日常のお手入れ頻度の目安
カビ・雑菌の繁殖を防ぐには、場所ごとに適したお手入れ頻度を習慣にすることが効果的です。
水分が残りやすい箇所ほど、こまめな拭き取り・洗浄が汚れの蓄積を防ぐからです。
お手入れ頻度の目安は以下の通りです(製品によって推奨頻度が異なる場合があるため、取扱説明書の指示も確認してください)。
特別な洗剤や道具を揃える必要はなく、普段のキッチン掃除の延長として取り組める範囲です。ただし、クエン酸・重曹・塩素系漂白剤は樹脂パーツを傷めたり変色させたりするおそれがあるため、お手入れには使わず、食器用の中性洗剤と水拭き・スポンジでの物理的な清掃を基本にしましょう。ピンク色の汚れ(ロドトルラ酵母)には、クエン酸のような酸性の洗剤は効果が薄く、中性洗剤でこすり洗いする方が効果的です。なお、クエン酸と塩素系漂白剤を同時に使うと有毒なガスが発生するため、絶対に混ぜないでください。
設置環境で気をつけたいポイント
お手入れだけでなく、サーバーを置く場所も、カビの発生しやすさに影響します。
直射日光が当たる場所や風通しの悪い場所は、内部の水温が上がったり湿気がこもったりして、カビ・雑菌が繁殖しやすい環境になってしまうからです。
設置時は、直射日光の当たらない場所を選び、壁から5〜10cm程度離して風通しを確保すると、カビ対策として効果的です。

やってはいけないNG行動
節電のためにサーバーの電源をこまめに切る、という行動は、実はカビ・雑菌対策の観点では逆効果になる可能性があります。
電源を切るとタンク内の温度管理(冷却・加熱)が働かなくなり、水温が室温近くまで上昇して、雑菌が繁殖しやすい環境になってしまうためです。
電気代を抑えたい場合も、電源を切るのではなく、設置場所の見直しや、契約プランの見直しなど別の方法を検討することをおすすめします。
最近のモデルに搭載されている衛生機能
手入れの手間をできるだけ減らしたい場合は、衛生機能が充実したモデルを選ぶという選択肢もあります。
近年の浄水型ウォーターサーバーには、タンク内の温水をタンク全体に循環させて加熱殺菌する機能や、UV(紫外線)ランプによる殺菌機能を搭載したモデルが登場しているためです。
ただし、こうした機能があっても、給水口や受け皿など目に見える部分の日常的なお手入れが不要になるわけではない点には注意しましょう。
お手入れの疑問Q&A:アルコール除菌・内部洗浄・メーカーメンテナンス
アルコール除菌シートは何を選べばいい?消毒後すぐ使っても大丈夫?
給水口をアルコールで拭いた直後に、その水を子どもに飲ませても大丈夫なのか、不安に思う方もいるのではないでしょうか。
食品添加物としてのアルコール製剤(エタノール製剤)は揮発性が高く、食器や調理器具の消毒にも使われる安全性の高い成分で構成されているためです(日本食品洗浄剤衛生協会)。
とはいえ、拭いた直後は水分が残っている可能性があるため、給水口・出水口を拭いたあとはよく乾燥させてから使う、気になる場合は最初のコップ1杯を捨て水にする、といった一手間を加えると安心です。香料や保湿成分を多く含む美容用のウェットティッシュは食品衛生用途を想定していないため避け、無香料タイプの除菌シートを選びましょう。クリクラ公式のお手入れ案内でも「アルコール除菌スプレーや除菌ウェットティッシュを使うと気軽に掃除ができておすすめ」としつつ、無香料タイプの選択を勧めています。
キッチン用の高濃度な業務用アルコールをわざわざ用意する必要はなく、市販の無香料タイプの除菌シートやスプレーで十分です。
手が届かない内部(チューブ・配管)はどう洗う?セルフ清掃だけで足りる?
チューブや配管などサーバー内部は手やスポンジが届かないため、「自分で行う掃除だけで本当に十分なのか」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
家庭用の浄水型ウォーターサーバーは、給水タンク・出水口・水受け皿などユーザーが取り外して洗える範囲までのお手入れで足りるように設計されており、内部の水路やタンクそのものを分解して洗うことは基本的に想定されていないためです。LOCCAの取扱説明書でも「分解・改造・修理をしない」ことが明記されており、分解すると衛生面に悪影響を及ぼしたり故障の原因になるとされています。
つまり、内部配管の洗浄は「自分でやるべきこと」ではなく「メーカー側が担う領域」です。クリクラ公式のお手入れ案内でも「パーツの交換や、内部の洗浄殺菌は自分で行おうとせず、メーカーや専門の業者に頼むことが大切」と明記されています。
見える範囲(給水口・受け皿・タンク)を定期的に洗浄していれば、内部を無理に分解して洗う必要はないと考えてよいでしょう。
メーカーによる定期的なプロのメンテナンスはある?有料?
専門業者による分解清掃やメンテナンスサービスはないのか、気になる方もいるでしょう。
対応はメーカーによって異なるためです。たとえばLOCCA公式は「専門業者によるメンテナンスは不要で、日頃のお手入れを続けていただくことで衛生的に安心してご利用いただけます」と案内しており、日常のセルフメンテナンスを前提とした設計になっています。
一方でクリクラは、年に1回、専任のスタッフによるサーバーメンテナンスが受けられるサービスを提供しています(クリクラ公式サイトより)。ブランドによって「日常のお手入れのみで足りる設計」か「定期的な本体交換・メンテナンスが受けられる契約」かが異なる、と理解しておくとよいでしょう。
契約前・契約後に、メンテナンスサービスの有無・頻度・費用をカスタマーセンターや契約書面で確認しておくと安心です。
電気代・水質・トラブル対応に関する疑問
電源を入れっぱなしにすると電気代はどれくらいかかる?
カビ対策のために電源を切らない方がよいと聞くと、毎月の電気代がどれくらい増えるのか気になる方も多いでしょう。
電気代は機種によって差がありますが、一例として浄水型ウォーターサーバーLOCCAの公式サイトでは、機種別の月間電気代の目安が公開されています。
| 機種 | 通常時 | エコモード時 |
|---|---|---|
| litta | 約587円 | 約469円 |
| Slim-RⅡ | 約692円 | 約571円 |
| Locca Smart | 約744円 | 約609円 |
電源を切って節電するよりも、暗い時間帯に自動で温水の消費電力を抑える「エコモード」を活用したほうが、衛生面を保ちながら電気代を抑えられます。契約前に、検討している機種の電気代目安を公式サイトで確認しておくと、月々のコストをイメージしやすくなります。
補充タンクの水は何日くらい持つ?UV機能があればお手入れは減らせる?
塩素を除去した水を、補充タンクに何日くらい入れっぱなしにしても大丈夫なのか、という疑問もよく聞かれます。
浄水後の水道水は消毒成分の塩素が除去されているため、時間が経つと雑菌が繁殖しやすくなるためです。LOCCA公式の取扱説明書では「給水タンクの水は2日を目安に使い切ってください。2日以上使わない場合は、給水タンクの水を入替え、常温水・冷水をコップ3杯、温水をコップ1杯程度捨て水としてください」と案内されています。クリクラのfeel free公式サイトでも「水道水の塩素が抜けてしまうので、タンクに水を入れてから2〜3日間でお飲みください」としており、複数メーカーで概ね2〜3日が目安とされています。
UV殺菌や温水循環機能を搭載したモデルもありますが、公式サイトでも「お手入れ頻度が具体的に何割減る」といった数値までは示されていません。給水口・受け皿など目に見える部分の日常的な拭き取りは、こうした機能があっても引き続き必要とされています。「UV機能付きだから手入れ不要」と考えず、タンクの水は2〜3日を目安に入れ替える習慣とセットで持つのが安全です。
誤ってピンク汚れや黒カビが混ざった水を飲んでしまったら
掃除を忘れていた給水口の水を、うっかり飲んでしまったら体に害はないか、不安になる方もいるでしょう。
東京都保健医療局は、カビが少し生えた食品を1回誤って口にした程度では、嘔吐・下痢・腹痛といった食中毒様症状が出ることはあまりないとしています。カビの毒性による健康影響は、主に長期間・連続して摂取し続けた場合の慢性的なリスクが中心とされているためです。
ただし、これは一般論であり、量や体調(乳幼児・高齢者・免疫力が低下している方など)によって受け止め方は変わります。ピンク色の汚れの正体であるロドトルラ酵母についても、健康な方への影響は少ないとされる一方、抵抗力が落ちている場合は注意が必要という指摘もあります。
飲んでしまった後に嘔吐・下痢・腹痛などの症状が出た場合は、自己判断で様子を見ず医療機関を受診してください。日頃の拭き取りを習慣化し、そもそも口に入れる機会を作らないことが一番の対策です。
パーツの隙間に生えた黒カビが落ちない場合はどうする?パーツ単体の購入はできる?
細かい隙間に入り込んだ黒カビがどうしても落ちない、というケースもあるでしょう。
無理にこすり続けると、樹脂パーツを傷つけて逆に汚れが入り込みやすくなったり、パーツ自体を破損させたりするおそれがあります。
浄水型ウォーターサーバーの多くはレンタル契約で提供されており、サーバー本体はメーカーの所有物であるため、パーツ単体の販売窓口は主要メーカーの公式サイトでは確認できませんでした。取り外して洗える部品の清掃方法は取扱説明書で案内されていますが、単体購入の案内は見当たりません。
自己判断でパーツを分解・交換しようとせず、落ちない汚れを見つけたらメーカーのサポート窓口に相談し、部品交換や本体交換の対応が可能か確認しましょう。
よくある質問
ピンク色の汚れが出たらすぐに使用をやめるべきですか?
ピンク色の汚れはロドトルラ酵母によるもので、水回りでよく見られる現象です。見つけたら早めに拭き取り、清潔な状態を保てば問題ありません。繰り返し発生する場合は、お手入れ頻度や設置環境を見直しましょう。
お手入れを忘れがちな場合、どうすればいいですか?
曜日を決めてルーティン化する、自動洗浄機能付きのモデルを選ぶなどの工夫が有効です。給水口の拭き取りだけでも習慣化すると、カビの発生をかなり抑えられます。
水道補充型と水道直結型で、カビの生えやすさに違いはありますか?
水道補充型は自分でタンクに水を注ぎ足す分、タンク内のお手入れが必要です。水道直結型は都度の補充がない分その手間は減りますが、給水口・受け皿のお手入れは同様に必要です。
サーバー内部のフィルター自体にもカビは生えますか?
フィルター内部は密閉された構造になっている製品が一般的です。交換時期を守ってカートリッジを交換していれば、過度に心配する必要はありません。異臭や水の変化を感じた場合はメーカーのサポート窓口に相談しましょう。
長期間家を空けるときはどうすればいいですか?
長期不在の前後は、タンク内の水を使い切ってから外出し、帰宅後は最初の水を数回捨ててから使うと安心です。不安な場合はメーカーのサポート窓口に不在時の推奨対応を確認しましょう。
まとめ:こまめなお手入れと設置環境の見直しがカビ対策の基本
この記事では、浄水型ウォーターサーバーにカビが生えやすい理由と、給水口・受け皿・補充用タンクといった注意すべき箇所、日常のお手入れ方法を解説しました。
特別な道具を用意しなくても、給水口の週1回の拭き取りや、受け皿・タンクをこまめに洗う習慣があれば、カビの発生は大きく抑えられます。あわせて、直射日光を避けて風通しのよい場所に設置し、節電目的で電源を切らないことも意識しましょう。
アルコール除菌は無香料タイプを選べば安心して使え、内部配管の洗浄やパーツ交換は自分で行わずメーカーに任せるのが基本です。補充タンクの水は2〜3日を目安に入れ替え、万が一汚れた水を飲んでしまっても少量であれば過度に心配しすぎず、症状が出た場合は医療機関を受診しましょう。お手入れの手間を減らしたい方は、自動洗浄機能や抗菌素材を採用したモデルを選ぶのも一つの方法です。

