「浄水 ご飯」で検索しているあなたは、ご飯を炊くときの水を浄水器の水に変えると、本当に味が変わるのか気になっているのではないでしょうか。
実は、ご飯の味は炊飯時の水の質に大きく左右されます。この記事では、浄水器の水でご飯を炊くと美味しくなるといわれる理由と、水道水のままでも美味しく炊くための工夫を解説します。
水道水でご飯を炊いても安全面は問題ない
健康への心配はなく、あくまで「風味」の話
「水道水でお米を炊いても大丈夫?」と不安に思う方もいますが、安全面では心配は不要です。
日本の水道水は、水道法に基づく水質基準(52項目)をクリアした水だけが各家庭に届けられており、そのまま飲用・調理に使っても健康に影響が出ない水質に管理されているためです。
基準の詳しい内容は水道水の水質基準とは?52項目をわかりやすく解説で解説しています。
この記事でこれから解説する「浄水器の水の方が美味しい」という話は、あくまでカルキ臭や硬度による風味の差であり、「水道水で炊くと危険」という意味ではありません。安全性と美味しさは別の軸で考えるとよいでしょう。
「水道水で炊くとまずい」と感じる主な原因
それでも「水道水で炊いたご飯はまずい」と感じることがあるとすれば、次に解説するカルキ臭や水の硬度が主な原因です。
特に、古いマンション・アパートで貯水槽を経由している場合や、長期間水道を使わなかった後の最初の水、断水・水道工事の直後などは、配管由来のにおいや濁りが出やすい傾向があります。
赤水や異常なにおいがある場合はその水を使わず、水道局や管理会社に確認しましょう。気にならない範囲であれば、しばらく水を流してから使うか、後述するカルキ抜きの方法を試してみましょう。
浄水器の水でご飯を炊くと美味しくなるといわれる理由
お米はカルキ臭を吸収してしまう
水道水には消毒のための塩素が含まれており、これが「カルキ臭」と呼ばれるツンとしたにおいの原因になっています。
お米は水を吸収する性質が強く、炊飯時の水のにおいや味をそのまま吸い込んでしまうため、カルキ臭が残った水で炊くと、お米本来の風味が損なわれやすくなります。
残留塩素の除去性能がある浄水器のカートリッジを、交換時期を守って使っていれば、水に含まれる塩素は取り除かれるため、この点でご飯を美味しく炊く条件を満たしやすいといえます。
実は「米を研ぐ最初の一瞬」が一番重要
ご飯の味を左右するのは、炊飯時の水だけではありません。米を研ぐ・浸水させる工程での「最初に触れる水」が、実はもっとも重要だとされています。

お米は乾燥した状態で水に触れた瞬間から急速に水分を吸収し始めるため、最初に触れた水のにおいや成分を吸い込みやすい性質があるためです。
つまり、炊飯時の水よりもむしろ「研ぎ始めの一杯目」の水質のほうが、仕上がりの風味に影響しやすい可能性があるということです。
ただし、最初の水だけで炊き上がりが劇的に変わるとまでは言い切れず、お米の品種・鮮度・研ぎ方・浸水時間・水温・炊飯器の性能なども仕上がりに影響する要素です。
すべての工程を浄水器の水にできなくても、最初のひとすすぎだけ意識するだけで、味の変化を感じやすくなります。逆に言えば、「お米を洗うときは絶対に浄水を使わなければならない」というルールがあるわけではなく、こだわりたい人向けの工夫と考えれば十分です。
軟水はお米のうまみを引き立てる
一般的な家庭用浄水器(活性炭・中空糸膜タイプ)は、残留塩素やにおい・濁りを除去する一方で、カルシウムやマグネシウムといった硬度成分はほとんど除去しません。
そのため、浄水器を通した水の硬度は、もとの水道水の硬度とほぼ変わらないのが実際のところです。
日本の水道水は地域差はあるものの全体的に軟水が多いため、結果として浄水器の水も軟水であることが多い、という関係になります。
ご飯を炊く水としては、ミネラル分の少ない軟水が適しているとされています。

日本コカ・コーラのミネラルウォーターQ&Aでは、クセのない軟水は、だしをとる、魚や野菜を煮る、ご飯を炊くといった和食に合うと説明されています。硬水で炊いた場合に仕上がりがどう変わるかについては、公的機関やメーカーの一次情報で確認できる説明が見当たらなかったため、この記事では断定していません。
日本の水道水は多くの地域で軟水とされ(全国665地点を調べた論文では平均硬度48.9mg/L)、一般的な浄水器を通しても硬度はほとんど変わらないため、浄水器の水や水道水は、この意味で和食に合う軟水にあたります。
浄水器がなくても美味しく炊く方法
浄水器を持っていない場合でも、水道水のカルキ臭を減らす方法があります。ご飯を炊く前のひと手間で、風味を改善できます。
| 方法 | やり方 | ポイント |
|---|---|---|
| 沸騰させる | 3〜5分程度、蓋をせずに沸騰させる | 蓋をすると塩素が水中に閉じ込められ抜けにくくなる |
| 汲み置きする | 蓋をせずに半日〜1日ほど置いておく | 時間はかかるが手間はかからない |
| 浄水器を使う | 浄水器を通した水を使う | 手間がかからず即座にカルキ臭を除去できる |
いずれの方法も「蓋をしない」ことが共通のポイントです。塩素は空気に触れることで抜けていくため、密閉すると効果が弱まってしまいます。
ただし、においが弱まる程度は水質や塩素濃度、容器、季節によって差があり、必ずしも表の時間で完全にカルキ臭がなくなるとは限りません。また、煮沸・汲み置きした水を長時間常温で放置すると、逆に雑菌が繁殖しやすくなるため、作った水はなるべく早めに使い切りましょう。
すぐに使いたい場合は浄水器や市販のミネラルウォーター、時間に余裕があれば汲み置きや煮沸を活用するとよいでしょう。
ご飯以外の料理にも浄水器の水は使うべき?
ここまでご飯の炊飯を中心に解説してきましたが、味噌汁やスープなど、水そのものの味が仕上がりを左右する料理でも、考え方は基本的に同じです。
カルキ臭が気になりやすい汁物・出汁を使う料理では、浄水器の水を使うことでよりすっきりとした風味に仕上がりやすくなります。
一方、パスタの茹で汁や煮込み料理など、加熱時間が長く他の食材・調味料の味が強い料理では、水道水と浄水器の水の差はご飯ほど感じにくいのが実際のところです。
すべての料理に浄水器の水を使う必要はなく、「素材の味・水の味がダイレクトに出る料理」から優先的に取り入れるのが効率的です。
よくある質問
水道水でお米を炊いても危険はありませんか?
危険はありません。日本の水道水は水道法の水質基準(52項目)を満たした安全な水であり、そのまま炊飯に使っても健康面の問題はないとされています。
浄水器の水との違いは、あくまでカルキ臭や硬度による「風味」の差であり、安全性の差ではありません。
ただし、これは浄水場から供給される水道水そのものについての話です。
古い貯水槽や給水管を経由している建物、断水・水道工事の直後などは、宅内設備側の要因でにおい・濁りが出ることがあるため、赤水や異臭がある場合はその水を使わず、管理会社や水道局に確認しましょう。
水道水で炊くとまずいというのは本当ですか?
「まずい」と感じるかどうかには個人差がありますが、水道水のカルキ臭がお米に移ることで、風味が損なわれやすいのは事実です。
特にカルキ臭に敏感な方や、古い配管を通った水を使っている場合に感じやすい傾向があります。
気になる場合は、沸騰・汲み置き・浄水器のいずれかでカルキ臭を減らしてから炊くことをおすすめします。
ミネラルウォーターで炊いても浄水器と同じ効果がありますか?
硬度の低い(軟水の)ミネラルウォーターは、通常は消毒用の残留塩素を含まず、水道水のようなカルキ臭もないため、炊飯に向いている場合が多いといえます。
ただし、浄水器の水と成分が完全に同じというわけではなく、商品によって含まれるミネラルの種類・量が異なります。
メーカーの解説では、ご飯を炊くなどの和食には軟水が合うとされているため、ラベルの硬度表示を確認し、軟水のものを選ぶとよいでしょう。
研ぐ水と炊飯時の水、両方を浄水器の水にする必要がありますか?
理想はすべての工程を浄水器の水にすることですが、難しい場合は、お米が最も水分を吸収する「研ぎ始めの最初のすすぎ」だけでも浄水器の水に変えると、コストを抑えつつ味の変化を感じやすくなります。
RO水(浄水器で処理した純水に近い水)でご飯を炊いても大丈夫ですか?
RO水は不純物とともにカルシウム・マグネシウムなどのミネラル分も大幅に除去した、低ミネラル水(純水に近い水)です。
「軟水」というよりミネラルがほとんどない水と捉えるのが正確で、カルキ臭のない状態でご飯を炊けます。
ミネラルが極端に少ないことでの炊き上がりへの影響は個人の好みによる部分もあるため、まずは少量で試してみるとよいでしょう。
まとめ:浄水器の水は「お米が最初に触れる水」で使うのが効果的
この記事では、浄水器の水でご飯を炊くと美味しくなるといわれる理由と、浄水器がない場合の対処法を解説しました。
水道水は水質基準を満たした安全な水であり、健康面の心配は不要です。
そのうえで、水道水のカルキ臭はお米に移りやすく、お米は水に触れた瞬間から水分を吸収するため、「研ぎ始めの最初の水」の質が仕上がりに影響しやすい可能性があるとされています(ただし米の品種・鮮度・浸水時間なども影響する要素です)。
浄水器の水は残留塩素が取り除かれておりカルキ臭がなく、日本の水道水と同様に軟水であることが多いため、お米のうまみを引き立てやすい点でも炊飯に適しています。
浄水器がない場合も、沸騰・汲み置きといった方法でカルキ臭を減らせるので、日々のご飯をもう一段美味しくする工夫として試してみてください。

