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天然水とは?ミネラルウォーター・水道水との違いと選び方の基礎知識

天然水とは?山の湧き水とペットボトルの天然水 お水の知識
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スーパーやコンビニでよく見かける「天然水」ですが、ミネラルウォーターと何が違うのか、水道水と比べて何が優れているのか、気になっていませんか?

この記事では、天然水の定義や分類、水道水との違い、そして選ぶときに知っておきたいポイントまで、公的な資料や業界団体のガイドラインなど一次情報をもとにまとめて解説します。

この記事のポイント

  • 「天然水」という言葉に法律上の厳密な定義はなく、多くは「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」に分類される商品に使われている
  • 天然水(容器入り飲用水)は食品衛生法、水道水は水道法と、適用される法律と管理のしくみが異なる
  • どちらもそれぞれの基準への適合が義務付けられており、「どちらが絶対的に安全」と単純比較できるものではない

天然水とは何か

天然水に法律上の定義はある?ミネラルウォーター類の4分類

実は「天然水」という言葉自体には、法律上の厳密な定義はありません。

容器入り飲用水は、農林水産省が定めた「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」(平成2年制定)により、採水した水の処理方法の違いで4つの品名に分類されており、「天然水」という商品名はこのうち処理の少ない分類の製品に慣用的に使われているためです。

分類内容
ナチュラルウォーター特定の水源から採水した地下水を原水とし、沈殿・濾過・加熱殺菌以外の処理を行わないもの
ナチュラルミネラルウォーターナチュラルウォーターのうち、地層中の無機塩類が自然に溶け込んだ(鉱化された)地下水を原水としたもの
ミネラルウォーターナチュラルミネラルウォーターを原水に、品質を安定させる目的でミネラル調整・ばっ気・複数水源の混合等を行ったもの
ボトルドウォーター(飲用水)上記3分類にあてはまらない容器入り飲用水

「天然水」の商品は、主にナチュラルウォーターまたはナチュラルミネラルウォーターに分類されることが多くなっています。処理が少なく、水源ごとの個性がそのまま残りやすいことが「天然」という言葉のイメージと結びついているのでしょう。ただし、あくまで商品名としての慣用であり、「天然水」と表示さえすれば必ずこの2分類に該当するという法的な保証があるわけではない点には注意してください。

天然水と水道水の違いは?法律・原水・処理方法を比較

天然水と水道水は、そもそも適用される法律の枠組みが異なります。

水道水は水道法に基づき、水道事業者に52項目の水質基準への適合と定期検査が義務付けられています(水質基準について詳しくは「水道水の水質基準とは?52項目をわかりやすく解説」で解説しています)。一方、容器入り飲用水である天然水は食品衛生法の枠組みで規格基準が定められており、水道法とは別の管理体系のもとで作られています。

処理方法にも違いがあります。水道水は病原微生物対策として塩素による消毒が義務付けられているため、給水栓で一定濃度の残留塩素を保つ必要があります。これに対して、ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーターは沈殿・濾過・加熱殺菌以外の処理を行わないため、塩素は使われません。

原水にも違いがあります。国土交通省「水資源の利用状況」によると、水道の水源はダムに貯めた水や河川水、湖沼水が約4分の3を占め、残りは地下水などです。水道水は浄水場で処理されて地域内に均質に供給されやすいのに対し、天然水は特定の水源の地下水を原水とするため、地層の違いがそのまま硬度やミネラル成分の個性として残る点も大きな違いです。

主な違いを表にまとめると、次のようになります。

項目天然水(ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーターの場合)ミネラルウォーター(品名)水道水
位置づけ「天然水」は商品名としての慣用で、法律上の定義はない品質表示ガイドライン上の品名の1つ水道法に基づいて供給される水
主な規制食品衛生法の規格基準食品衛生法の規格基準水道法の水質基準(52項目)
原水特定の水源から採水した地下水ナチュラルミネラルウォーターダム・河川・湖沼の水が約4分の3、残りは地下水など
処理沈殿・濾過・加熱殺菌以外の処理を行わない(塩素は使わない)ミネラル調整・ばっ気・複数水源の混合などを行う浄水処理のうえ塩素で消毒(給水栓で残留塩素を保つ)
天然水は地下水を採水してボトル詰め、水道水はダムや河川の水を浄水場で処理して蛇口へ届ける違いのイメージ

軟水・硬水の違いと天然水の硬度

天然水を選ぶうえで欠かせないのが、硬度(カルシウム・マグネシウムなどのミネラル含有量)による軟水・硬水の違いです。

硬度は水源の地層によって変わり、この違いが口当たりや料理との相性に影響するためです。

一般に硬度が低い(軟水)ほどクセがなくまろやかに感じられ、硬度が高い(硬水)ほどミネラル感や独特の重さを感じやすいとされます。日本国内で採水される天然水には軟水のものが多く、海外の天然水・ミネラルウォーターには硬水のものも多く見られます。硬度はパッケージの栄養成分表示などで確認できるので、飲み比べるときの目安にするとよいでしょう。硬度の分類の目安は「ミネラルウォーターとは?水道水・天然水との違い、硬水軟水の選び方」で、水とご飯の炊き上がりの関係については「浄水器の水でご飯を炊くと美味しくなる?」でも解説しています。

天然水を選ぶときのポイント

産地によって味・硬度が変わる

同じ「天然水」というブランド名の商品でも、採水地が複数ある場合は産地ごとに味わいが異なります。

採水地の地層・標高・気候によって、水がミネラル分を取り込む量や種類が変わるためです。

例えば「サントリー天然水」は、山梨県の南アルプス、長野県の北アルプス、鳥取県の奥大山、熊本県の阿蘇という4つの採水地を持ち、採水地ごとに主な出荷エリアも分かれています。硬度が最も低い北アルプスはマイルドな飲み口、南アルプスはスッキリとしたキレが特徴とされるなど、同じブランドでも産地によって個性があります。お住まいの地域でよく見かける天然水がどこの採水地のものか、パッケージで確認してみるのも選び方のひとつです。産地ごとの詳しい違いは「サントリー天然水の産地・種類一覧|南アルプス・北アルプス・奥大山・阿蘇の違い」で解説しています。

「腐らないのに賞味期限がある」のはなぜ?

天然水のペットボトルには「賞味期限」が表示されていますが、未開封であれば水自体が腐って飲めなくなるわけではありません。

ろ過や加熱などで衛生的に処理した水を清潔な環境で密封しているため、外部から雑菌が侵入しない限り、水質そのものが劣化することは基本的にないとされています。それでも賞味期限が設定されているのは、ペットボトルの容器にはわずかな通気性があり、未開封でも時間とともに少しずつ水分が蒸発していくためです。内容量は計量法のルールに沿って表示どおりであることが求められるため、メーカーは蒸発する分を見込んで、表示どおりの量が保たれる期間の目安として賞味期限を設定しているとされています。なお、賞味期限の表示そのものは食品表示法に基づくものです。

未開封のペットボトルからも少しずつ水分が蒸発するイメージ

つまり天然水の賞味期限は「安全に飲める期限」というより「表示通りの量が保たれる期間の目安」に近い性質のものです。とはいえ、期限を大きく過ぎたものや、直射日光・高温下で保管していたものは、風味の劣化や容器の変質が起こりうるため、できるだけ期限内に飲み切り、涼しく直射日光の当たらない場所で保管するのが安心です。

容量・パッケージの選び方

天然水は500ml・1L・2Lなど複数の容量で販売されており、用途に応じて選ぶことでコストと利便性のバランスを取れます。

容量が大きいほど1Lあたりの単価は下がりやすい一方、開封後は早めに飲み切る必要があるため、外出時の持ち歩きには500ml、自宅での日常使いには2Lというように使い分けるのが基本です。

近年はラベルを剥がさずに捨てられる「ラベルレス」タイプの商品も増えています。ゴミの分別の手間を減らせるメリットがある一方、通販限定での販売になっている商品もあるため、購入前に取扱チャネルを確認しておくとよいでしょう。

例えばサントリー天然水では、持ち歩き向けの550mlと自宅向けの2Lのラベルレスタイプが、通販でケース単位で販売されています。

サントリー ラベルレス 550ml×24本 本体画像

サントリー天然水 ラベルレス 550ml×24本

サントリー / 型番 ラベルレス 550ml×24本

サントリー ラベルレス 2L×9本 本体画像

サントリー天然水 ラベルレス 2L×9本

サントリー / 型番 ラベルレス 2L×9本

よくある質問

天然水とミネラルウォーターは同じものですか?

厳密には異なる場合があります。品質表示ガイドライン上、「ミネラルウォーター」はナチュラルミネラルウォーターにミネラル調整や複数水源の混合などの処理を加えたものを指す品名です。「天然水」という商品名は、処理の少ないナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーターに使われることが多いため、両者は近い存在ですが、分類上は別の位置づけになります。ミネラルウォーターについて詳しくは「ミネラルウォーターとは?水道水・天然水との違い、硬水軟水の選び方」で解説しています。

天然水は水道水よりも安全ですか?

「天然水の方が優れている」と単純比較できるものではありません。水道水は水道法に基づく52項目の水質基準への適合が法律で義務付けられ、天然水は食品衛生法の規格基準のもとで製造されており、それぞれ異なる法律・基準で安全性が確保されています。どちらも、それぞれの基準への適合が法令で義務付けられている点は共通しています。

なお、2025年には食品衛生法に基づき、ミネラルウォーター類のPFOS・PFOAについて、水道水と同じ合算値50ng/L(0.00005mg/L)の基準が設けられました。殺菌・除菌を行うものは成分規格として、殺菌・除菌を行わないものは原水(泉源)の管理を求める製造基準の中で、この値が基準とされています(炭酸ガスの圧力が高い一部の製品は、事業者による自主的な管理が求められています)。

開封後の天然水はどのくらい日持ちしますか?

メーカー各社は目安として、開封後は冷蔵保存のうえ数日以内(2〜3日程度)に飲み切ることを推奨しているケースが多く見られます。開封すると口や空気中の雑菌が入り込むため、未開封時とは異なり時間の経過とともに劣化が進みます。具体的な目安は商品パッケージの記載を確認してください。

天然水は災害時の備蓄に向いていますか?

未開封のペットボトルの水は、備蓄用の飲料水として利用できます。農林水産省の資料では、飲料用と調理用だけで1人1日3リットルの水が必要と言われており、最低3日分として1人9リットルの備蓄が目安とされています。普段飲む分を少し多めに買い置きし、古いものから消費して買い足す「ローリングストック」にすると、賞味期限切れを防ぎながら備えられます。保管は直射日光や高温を避け、置き場所を分けておくとリスク分散にもなります。

犬や猫に天然水を飲ませても大丈夫ですか?

運営者は獣医療の専門家ではないため、この記事では評価しません。硬度の高い水(硬水)を犬や猫に与えることについては、ペットフードや天然水のメーカーが注意を案内している場合があるので、与える前にパッケージで硬度を確認し、かかりつけの獣医師に相談してください。

赤ちゃんのミルク作りに天然水を使ってもいいですか?

運営者は医療の専門家ではないため、この記事では天然水が調乳に向くかどうかを評価しません。厚生労働省が公開しているWHO/FAOの「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」では、調乳に使う水を一度沸騰させ70℃以上の湯で粉ミルクを溶かすこととされており、粉ミルクのメーカーも使える水の目安(硬度など)を案内しています。まずはその案内と、かかりつけの医師・保健師の指導を確認してください。天然水のメーカーによっては、自社製品を調乳に使う場合の案内(硬度や沸騰させることなど)を公式サイトに載せているので、使う前に商品ごとの案内を確認しましょう。

まとめ:天然水は「処理が少なく、産地の個性が出やすい水」

この記事では、天然水の定義とミネラルウォーター類の分類、水道水との違い、選ぶときのポイントを解説しました。

天然水に法律上の厳密な定義はありませんが、多くはナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーターに分類され、処理が少ないぶん産地の個性がそのまま味わいに表れます。水道水とは適用される法律も処理方法も異なる水であり、「どちらが優れているか」ではなく、それぞれの特徴を理解したうえで、用途や好みに合わせて選ぶことが大切です。

この記事で参考にした主な一次情報

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