ドラッグストアで見かける「精製水」。名前はよく聞くけれど、「精製水とは何なのか」「純水や蒸留水とは何が違うのか」「飲んでもいいのか」と聞かれると、意外と答えに迷いませんか?
この記事では、精製水の定義から、純水・超純水・蒸留水との違い、作り方、社会での使い道、買える場所や開封後の扱いまでを、日本薬局方やJIS(日本産業規格)、メーカーの公開情報を調べて分かったことをもとに整理しました。ほかの水との違いをざっと知りたい場合は「水の種類と違いを一覧で整理」もあわせてどうぞ。
結論からいうと、精製水とは、医薬品の品質の基準を定めた「日本薬局方」に載っている「精製水」の規格に適合する水です。水道の水質基準に合う水を原料に、イオン交換・蒸留・逆浸透・限外ろ過などで不純物を取り除き、導電率と有機体炭素(TOC)の基準を満たしたものを指します。ドラッグストアで「日本薬局方 精製水」として売られている医薬品は第3類医薬品で、飲み水として売られている製品ではありません。
この記事のポイント
精製水とは?日本薬局方で決められた「医薬品の水」
精製水の定義:水道水レベルの水から不純物を取り除いたもの
精製水とは、医薬品の品質の基準をまとめた「日本薬局方」で決められている水のことです。
厚生労働省が公開している第十九改正日本薬局方には、精製水が次のように書かれています。
本品は,イオン交換,蒸留,逆浸透又は限外ろ過などを単独あるいは組み合わせたシステムにより,「常水」より製したものである.
ここでいう「常水」は、日本薬局方で「水道法第4条に基づく水質基準に適合する」水と決められています。つまり精製水は、水道の水質基準に合う水を原料に、不純物をさらに取り除いた水です。
品質は、溶けているイオンの少なさを表す「導電率」(電気の通しやすさ)と、有機物の量を表す「有機体炭素(TOC)」で決められています。精製水の場合、導電率は25℃で2.1μS/cm以下、有機体炭素は0.50mg/L以下です。容器に詰めた「精製水(容器入り)」では、内容量が10mLを超える製品の導電率は5μS/cm以下とされています。作り方は一つに決まっているわけではなく、精製水はこの規格に適合していることが求められる水だといえます。
日本薬局方の水は「常水」から「注射用水」まで6種類
日本薬局方には、精製水のほかにも水の規格があり、用途に合わせて段階的に分かれています。
第十九改正日本薬局方の医薬品各条を読むと、水に関する規格は次の6つでした。
| 名称 | 作り方・中身(原文の要点) | 主なチェック項目 |
|---|---|---|
| 常水 | 水道法の水質基準に適合する水 | 水道の水質基準 |
| 精製水 | 常水からイオン交換・蒸留・逆浸透・限外ろ過などで製したもの | 導電率・有機体炭素 |
| 精製水(容器入り) | 精製水を気密容器に入れたもの。「(容器入り)」は省略して表示できる | 導電率・微生物の数の上限など |
| 滅菌精製水(容器入り) | 精製水を密封容器に入れて滅菌したもの(または無菌的に詰めたもの) | 上記に加えて無菌試験 |
| 注射用水 | 常水を前処理した水や精製水を、蒸留または超ろ過で製したもの | 導電率・有機体炭素・エンドトキシン |
| 注射用水(容器入り) | 注射用水を密封容器に入れて滅菌したもの。蒸留法で作った場合は「注射用蒸留水」と表示できる | 無菌試験・エンドトキシン・異物など |
ドラッグストアで「日本薬局方 精製水」として売られているのは、このうち「精製水(容器入り)」にあたります。注射に使う水は、さらに厳しい「注射用水」という別の規格です。
精製水は滅菌されている?「滅菌精製水」との違い
ドラッグストアで売られている一般的な精製水は、滅菌された水とは規格が別です。
日本薬局方の「精製水(容器入り)」には、微生物の数の上限(1mLあたり102CFU=100CFU)は決められていますが、無菌であることを確かめる「無菌試験」は求められていません。無菌試験に適合する必要があるのは、別の規格の「滅菌精製水(容器入り)」です。
実際に、市販の精製水を作っている健栄製薬のよくある質問でも、「精製水には殺菌成分は入っていません」と案内されています。「精製水=無菌の水」ではない点は覚えておきたいところです。
「精製水」という名前でも医薬品ではないものがある
「精製水」という名前の商品がすべて医薬品として売られているわけではありません。
健栄製薬のよくある質問では、同社の精製水とコンタクトレンズ用精製水について「内容成分は同じです」としたうえで、次のように説明されています。
精製水は一般用医薬品(第3類)、コンタクトレンズ用精製水は雑貨品になります。
医薬品として売られている精製水には、パッケージに「日本薬局方」「第3類医薬品」などの表示があります。お店やネットで「精製水」を探すときは、医薬品なのか、雑貨や工業用として売られているものなのかを、表示で確認するとよさそうです。
精製水と純水・蒸留水の違い、精製水の作り方
純水とは?法令の定義はなく、JISでは「不純物をできる限り除いた水」
純水は、法令で統一的に定義された言葉ではなく、一般に不純物をできるだけ取り除いた水を指す言葉です。
規格の中で定義を探すと、JIS Z 8122(コンタミネーションコントロール用語)では、純水を「不純物をできる限り除いた水」とし、「精製段階によって種々の純度に分けられる」と補足しています。水処理メーカーの栗田工業の解説では、純水は「井戸水や水道水などに含まれる様々な不純物、特にカルシウムイオンやマグネシウムイオンをイオン交換樹脂やRO膜(逆浸透膜)を用いた装置を利用して除去した水」と説明されています。
純度の目安は用途ごとに決められています。たとえば水質試験に使う水を定めたJIS K 0557では、水をA1〜A4の4段階に分けています。
| 種別 | 電気伝導率(25℃) | 有機体炭素(TOC) | 主な用途(JIS K 0557の備考より) | 最終工程の精製方法の例 |
|---|---|---|---|---|
| A1 | 0.5mS/m以下 | 1mgC/L以下 | 器具類の洗浄、A2〜A3の水の原料 | イオン交換法、逆浸透膜法など |
| A2 | 0.1mS/m以下 | 0.5mgC/L以下 | 一般的な試験、A3〜A4の水の原料 | イオン交換装置・精密ろ過器などの組み合わせ |
| A3 | 0.1mS/m以下 | 0.2mgC/L以下 | 試薬類の調製、微量成分の試験 | 蒸留法 |
| A4 | 0.1mS/m以下 | 0.05mgC/L以下 | 微量成分の試験 | 石英ガラス製の蒸留装置などによる蒸留法 |
電気伝導率は装置の出口で直接測った値です。1mS/mは10μS/cmにあたるので、A1は5μS/cm以下、A2〜A4は1μS/cm以下になります。このほか、亜鉛・シリカ・塩化物イオン・硫酸イオンの上限も決められています。
なお、ペットボトルの水の場合、ラベルの品名は農林水産省の品質表示ガイドラインで決められた4種類(ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター、ボトルドウォーター)のいずれかになり、「純水」は正式な品名ではありません。
純水と超純水の違い:有機物や微粒子まで管理するかどうか
超純水は、純水の中でも特に純度を高めた水で、管理する項目が増えるのが違いです。
栗田工業の解説では、純水は「基本的に水溶液中の電解質を対象とし、電気の通りやすさ“電気伝導率”とシリカ濃度で定義される」のに対し、超純水は「電解質はもちろんのこと、水中に溶解している有機物、生菌、微粒子なども一定基準以下であることが求められる」とされています。
JIS K 0211(分析化学用語)では、超純水を抵抗率18MΩ・cm以上(電気伝導率0.056μS/cm以下)に精製した水と定義しています。栗田工業によると、超純水は半導体のウェハー洗浄や、半導体製造に使う薬品の希釈に使われています。
精製水と蒸留水の違い:蒸留は精製水の作り方の一つ
精製水と蒸留水は、比べるものの「軸」が違います。精製水は日本薬局方の規格の名前、蒸留水は作り方による呼び名です。
JIS K 0211では、蒸留水を「蒸留装置を用いて精製した水」と定義しています。一方、日本薬局方の精製水は「イオン交換,蒸留,逆浸透又は限外ろ過など」で作るとされていて、蒸留もその方法の一つに含まれます。
健栄製薬のよくある質問でも、蒸留水は「常水(水道水及び井戸水)を蒸留して得られた水」、精製水は常水をイオン交換・蒸留・逆浸透などで精製した水と説明したうえで、同社の精製水は「逆浸透(RO)等により精製した水を高温処理(130℃、5秒間)して得られた水」だとしています。つまり、蒸留で作った水でも精製水の規格を満たせば精製水と呼べますし、市販の精製水が必ずしも蒸留水とは限りません。
精製水・純水の作り方:蒸留・イオン交換・逆浸透など
精製水や純水は、いくつかの処理を組み合わせて作られています。主な方法は次のとおりです。

| 方法 | 仕組み | 出典での説明 |
|---|---|---|
| 蒸留 | 水を加熱して蒸発させ、蒸気を冷やして水に戻す | 蒸留水=「蒸留器で水を一度加熱して蒸発させ、出てきた蒸気を冷やして水に戻し、不純物を分離した水」(栗田工業) |
| イオン交換 | 樹脂が水中のイオンを水素イオン・水酸化物イオンと交換する | イオン交換水は「脱塩水や脱イオン水とも呼ばれる」(栗田工業) |
| 逆浸透(RO) | 圧力をかけて、水だけを通しやすい膜でこす | 精製水・注射用水の製法として日本薬局方に記載 |
| 限外ろ過 | 細かい孔の膜で、粒子や大きな分子を取り除く | 精製水・注射用水の製法として日本薬局方に記載 |
| 連続式電気脱イオン(EDI) | RO膜で処理した水を、電気を使ってさらに脱イオンする | RO膜と組み合わせて純度を高める方式(栗田工業) |
工場などで使う「純水装置」は、こうした処理を組み合わせた装置です。栗田工業の解説では、RO膜と連続式電気脱イオンを組み合わせる方式は再生用の薬品がいらず水質が安定しやすい一方で排水量が比較的多く、イオン交換樹脂の方式は定期的に塩酸や苛性ソーダで樹脂を再生する必要がある、と比較されています。
逆浸透の原理は「浄水器の逆浸透膜(RO膜)とは?」で詳しく解説しています。
水道水を沸かしても精製水にならない理由
水道水を沸かすだけでは、精製水にはなりません。沸騰では、水に溶けているミネラルなどが取り除かれないからです。
東京都水道局のよくある質問では、やかんの底にたまる白いものについて、沸騰によってカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの一部が溶けにくい固形分になったもので、水を注ぎ足しながら使うと「ミネラルが濃縮され」ると説明されています。沸かすことでカルキ臭は減らせますが、溶けている成分は水の中に残ったままです。
蒸留が「蒸気だけを集めて冷やす」のに対し、ただ沸かすだけでは蒸気を捨てて、残った水を使うことになります。家庭の鍋ややかんでは、精製水のような品質を作ったり確かめたりすることはできません。
精製水・純水・蒸留水・RO水・水道水・ミネラルウォーターの違い
ここまでの内容を、身近な水と並べて整理すると次のようになります。
| 種類 | 何が取り除かれているか | 位置づけ・関係するルール | 飲み水としての扱い |
|---|---|---|---|
| 精製水 | イオン(ミネラル)・有機物などを規格値以下に | 日本薬局方の規格。医薬品として売られるものは第3類医薬品(雑貨扱いの商品もある) | 飲用目的の製品ではない(メーカーの案内) |
| 滅菌精製水 | 精製水と同じうえで、滅菌済み | 日本薬局方の別の規格 | 製品の表示で確認 |
| 純水 | イオンなどの不純物をできる限り | 法令上の統一定義はない。JISの用語・用途別の規格 | 名前だけでは分からない。製品の表示で確認 |
| 超純水 | イオンに加え有機物・微粒子・生菌などまで | JISの用語(抵抗率18MΩ・cm以上)。半導体製造など | 工業用で、飲むためのものではない |
| 蒸留水 | 蒸留で分けられる不純物 | 作り方による呼び名 | 製品の表示で確認 |
| RO水 | RO膜を通りにくい成分 | 作り方による呼び名。RO浄水器・宅配水など | 飲み水(食品)として売られる商品もある |
| 水道水 | 浄水場で濁り・細菌などを処理。ミネラルは含まれる | 水道法の水質基準 | 飲み水 |
| ミネラルウォーター類 | 製品による(ろ過・加熱殺菌など) | 食品衛生法+品質表示ガイドライン | 飲み水(食品) |
水道水の基準については「水道水の水質基準とは?」、ペットボトルの水については「ミネラルウォーターとは?」で解説しています。RO水を飲み水として使う場合の考え方は「浄水器RO水とは?」にまとめています。
精製水・純水は英語で何という?
日本薬局方の英語名では、精製水は「Purified Water」、注射用水は「Water for Injection」です。栗田工業の解説では、純水は「pure water」、超純水は「ultrapure water」と書かれています。
精製水の使い道と、飲用・買える場所・保存方法
精製水・純水の社会での使い道
精製水や純水は、不純物が少ないことを生かして、医薬品づくりから工場まで幅広く使われています。
たとえば第十九改正日本薬局方では、「消毒用エタノール」の作り方が「エタノール 830mL」に「精製水又は精製水(容器入り) 適量」を加えて全量1000mLにする、と書かれているなど、多くの医薬品の材料として精製水が登場します。
栗田工業の解説では、純水の用途として次のような例が挙げられていました。
- 中高圧のボイラ用水:水垢(スケール)を防ぎ、エネルギーロスやトラブルを減らす
- 飲料の割り水:濃縮還元飲料を薄める水
- 化粧品や薬品の希釈水:製品の品質を保ちやすくする
- 電子部品の洗浄:乾いたあとの水垢(ウォーターマーク)を防ぐ
- オフィスビルの加湿用水:加湿による白い粉の飛散を防ぐ
不純物が少ない水は、蒸発しても水垢が残りにくいのが大きな特徴です。実験や分析で使う水も、前述のJIS K 0557のように目的に合わせた純度の水が使い分けられています。
家庭での精製水の使い道:コンタクトレンズや加湿器は表示と説明書で確認
家庭で精製水を使うときは、製品の添付文書や表示に書かれた用途と、使う機器の取扱説明書を確認するのが基本です。

たとえば東海製薬の「日本薬局方 精製水」の添付文書(PMDA)では、効能・効果が次のように書かれています。
製剤、試薬、試液の溶解剤として用いる。医療機器の洗浄に用いる。【その他の用途】コンタクトレンズの洗浄剤、保存剤の溶解に用いる。(コンタクトレンズ装着液としては用いないこと。)
同じ添付文書には、「注射剤の調製には用いないこと」や、ソフトコンタクトレンズの洗浄剤・保存剤の溶解に使った場合は装着前に煮沸消毒すること、といった注意も書かれています。コンタクトレンズの手入れについては、レンズやケア用品の説明書、眼科の指示に従ってください。
加湿器やスチーム機器も、使える水は機器によって違います。たとえばシャープのQ&Aでは、加湿の水について「水道水以外はお使いにならないでください」と案内し、その理由を「水道水は塩素殺菌処理されており、雑菌が繁殖しにくいため」と説明しています。精製水を使えるかどうかは、それぞれの機器の取扱説明書で確認しましょう。CPAPや吸入器などの医療機器に使う水は、機器の取扱説明書と医療機関の指示に従ってください。
精製水は飲める?飲み水として売られている製品ではない
市販の精製水は、飲み水として売られている製品ではありません。
東海製薬の添付文書の効能・効果には、飲み水としての用途は含まれていませんでした。また、健栄製薬のよくある質問「精製水は飲めますか?」には、次のように回答されています。
水道水のほとんどの不純物、微生物が取り除かれており、におい及び味はありませんが、飲用可能な品質は有しています。本来飲用目的で販売している製品ではありませんので、飲用を目的とするのであれば、ミネラルウォーターなどをご使用ください。
「飲用可能な品質は有しています」の部分だけを読むと飲んでよいように見えますが、同じ回答で「本来飲用目的で販売している製品ではありません」とされています。飲み水が必要な場合は、メーカーの案内どおり、ミネラルウォーターなど飲み水として売られている水や、水道水を選ぶのがよさそうです。なお、RO膜でろ過した水を使う宅配水などは、飲み水(食品)として売られている商品です。
精製水はどこで買える?薬局・ドラッグストアと第3類医薬品
医薬品の精製水は、薬局やドラッグストアのほか、ネット通販でも買うことができます。
精製水は一般用医薬品のうち「第3類医薬品」に分類されているためです。厚生労働省の解説では、第1類〜第3類の一般用医薬品は「3つともインターネットで販売可能」で、「第2類・第3類医薬品は薬剤師だけでなく登録販売者からも購入が可能」とされています。
売り場の場所は店舗によって違うので、見つからないときは店舗の薬剤師や登録販売者に聞いてみると早いでしょう。
開封後はいつまで使える?保存方法と使用期限
精製水は、開けたら早めに使い切るのが基本です。
健栄製薬のよくある質問では、殺菌成分が入っていないため開封時に雑菌が混入すると増えるおそれがあるとして、「開封後は速やか(1週間程度)に使用してください」と案内されています。東海製薬の添付文書でも、直射日光の当たらない冷所(冷蔵庫など)に密栓して保管すること、使用期限内でも開封後はすみやかに使用することが書かれています。
上の項目は、東海製薬の添付文書の「してはいけないこと」「用法関連注意」「保管及び取扱い上の注意」から抜き出したものです。
精製水の値段は何で変わる?
精製水の値段は、主に次のような違いで変わります。具体的な価格は店舗や時期で変わるため、ここでは比べるときの観点だけまとめます。
- 容量:500mLなどのボトルか、より大きな容量か
- 医薬品か、雑貨・工業用か:表示に「日本薬局方」「第3類医薬品」があるか
- 滅菌されているか:「滅菌精製水」は別の規格
- 容器の形:注ぎ口の形や、使い切りの小分けタイプなど
よくある質問
精製水と純水は同じものですか?
重なる部分はありますが、同じ言葉ではありません。精製水は日本薬局方で品質が決められた水の名前で、純水は「不純物をできる限り除いた水」を指す一般的な言葉です。純水のうち、日本薬局方の精製水の規格を満たして作られたものが精製水、と考えると整理しやすくなります。
精製水と蒸留水はどちらの純度が高いですか?
名前だけでは決まりません。蒸留水は作り方による呼び名で、精製水は品質の規格の名前だからです。純度は導電率などの数値で比べる必要があります。日本薬局方の精製水は、作り方にかかわらず導電率や有機体炭素の基準を満たす必要があります。
純水は飲めますか?飲むとどうなりますか?
「純水」という名前だけでは、飲用として作られた水かどうかは分かりません。工業用や実験用の純水は飲むためのものではないため、飲み水には食品として売られている水を選んでください。健康への影響について、この記事では評価していません。気になる場合は医師や、飲料として販売しているメーカーの案内を確認してください。
精製水の代わりに水道水を使えますか?
用途によって違います。コンタクトレンズの手入れや医療機器、加湿器などは、使ってよい水が製品や機器ごとに決められているので、それぞれの説明書に従ってください。前述のように、加湿器では逆に水道水を指定している例もあります。
精製水は自分で作れますか?
家庭で日本薬局方の精製水と同じ品質の水を作り、それを確かめることは現実的ではありません。精製水は導電率などの基準を満たしていることが条件で、沸かしただけではミネラルが残ります。RO浄水器を使えば純水に近い水は作れますが、それは「RO水」であって医薬品の精製水ではありません。
開封した精製水は何日くらい使えますか?
メーカーによって案内が違うため、製品の表示を確認してください。健栄製薬は「開封後は速やか(1週間程度)に使用してください」としています。
まとめ:精製水は「日本薬局方の規格の水」、純水は「不純物を除いた水」の総称
この記事では、精製水の定義や純水・蒸留水との違い、作り方、使い道を、一次情報をもとに整理しました。
精製水は、水道の水質基準に合う水からイオン交換・蒸留・逆浸透などで不純物を取り除き、日本薬局方の基準を満たした水です。純水は法令で統一的に定義された言葉ではなく、純度は用途ごとの規格で決まります。蒸留は精製水の作り方の一つで、市販の精製水は滅菌品ではありません。「日本薬局方 精製水」として売られる医薬品は第3類医薬品で、飲み水としての用途は効能に含まれていないため、使うときは添付文書の用途と開封後の扱いを確認してみてください。ほかの水との違いは「水の種類と違いを一覧で整理」でまとめています。
この記事で参考にした主な一次情報
いずれも2026年10月に確認した内容です。日本薬局方は第十九改正日本薬局方(令和8年厚生労働省告示第193号)を参照しています。
- 厚生労働省「日本薬局方」(第十九改正日本薬局方)
- PMDA 一般用医薬品添付文書「日本薬局方 精製水」(東海製薬)
- 健栄製薬「よくあるご質問(精製水)」
- 厚生労働省「2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正内容をご紹介します」
- JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語(日本産業標準調査会)
- JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)(日本産業標準調査会)
- JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水(日本産業標準調査会)
- 栗田工業「純水とは?その性質や製造方法について」
- 栗田工業「純水よりはるかに純度が高い超純水」
- 東京都水道局「よくある質問(水道水がいつもと違う)」
- シャープ「加湿の水は、水道水以外も使用できますか?」
- 農林水産省「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」(ミネラルウォーター協議会掲載)

