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浄水器とは?仕組み・種類とミネラルは残るのか、メリット・デメリットと軟水器・整水器との違い

浄水器とは?キッチンに蛇口直結型・ポット型・据置型などの浄水器が並ぶイラスト 浄水器
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キッチンの蛇口に付ける小さな器具から、冷蔵庫に入れるポット、シンクの下に収めるタイプまで、ひと口に「浄水器」といっても形はさまざまです。では、浄水器とは何をする器具で、法律ではどう決められているのでしょうか?「ミネラルまで取れてしまうの?」「軟水器や整水器とは何が違うの?」と迷ったことはありませんか?

この記事では、浄水器の定義・仕組み・種類・パッケージの表示の読み方・メリットとデメリット・似た機器との違いを、消費者庁の資料、日本産業規格(JIS)、業界団体の浄水器協会、メーカーの公開情報を調べて整理しました。

この記事のポイント

  • 家庭用品品質表示法の対象となる浄水器は、飲み水を得るための器具で、水道水から残留塩素を取り除く機能をもつものに限られる
  • 主流の「活性炭+中空糸膜」の浄水器は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを基本的に通す。ミネラルまで減らすのはRO膜やイオン交換樹脂を使う一部の製品
  • 浄水器はカートリッジ(ろ材)の交換が前提の道具。できることと、できないこと・手間と費用がかかる点の両方を知っておくと選びやすい
  1. 浄水器とは?水道水から残留塩素などを減らす器具
    1. 法律での定義は「水道水から残留塩素を除去する機能」をもつもの
    2. 浄水場との違いと、水道の中での浄水器の位置
    3. 浄水器の仕組みは「吸着」と「ろ過」
    4. 浄水器でミネラルは除去される?ろ材によって違う
    5. 同じ原理は浄水場や海水淡水化でも使われている
  2. 浄水器の種類とパッケージ表示の読み方
    1. タイプ別の全体像
    2. パッケージの「品質表示」で分かること
    3. JIS規格と浄水器協会の役割
  3. 浄水器のメリット・デメリット(できること・できないこと)
    1. 浄水器でできること
    2. 浄水器でできないこと・注意したいこと
    3. 手間と費用がかかる点
  4. 浄水器と似た機器との違い(軟水器・整水器・ウォーターサーバー)
    1. 浄水器と軟水器の違い
    2. 浄水器と整水器の違い
    3. 浄水器とウォーターサーバーの違い
  5. 浄水器とはについてよくある質問
    1. 浄水器を通した水はそのまま飲めますか?
    2. 浄水器を使うと水は軟水になりますか?
    3. 「JIS13物質除去」と「12物質」はどちらが正しいですか?
    4. 携帯用の浄水器や浄水シャワーも「浄水器」ですか?
    5. 浄水器にお湯を通してもいいですか?
    6. 「原水」と「浄水」の切り替えは何のためにありますか?
  6. まとめ:浄水器とは、水道水をもうひと手間処理する「交換前提の道具」
    1. この記事で参考にした主な一次情報

浄水器とは?水道水から残留塩素などを減らす器具

浄水器とは、水道水を通して残留塩素(消毒用の塩素)などの物質を減らし、飲み水を得るための器具です。中のカートリッジ(ろ材)を交換しながら使います。

法律での定義は「水道水から残留塩素を除去する機能」をもつもの

法律では、浄水器は「水道水から残留塩素を除去する機能」をもつ、飲み水を得るための器具と定められています。

品質の表示を義務づける家庭用品品質表示法について、消費者庁の「浄水器」のページは、対象を「飲用に供する水を得るためのものであって、水道水から残留塩素を除去する機能を有するものに限る」としています。カートリッジだけを単体で売る場合も対象になります。一方、次のものは対象外とされています。

  • 業務用、非常時用、アウトドア用
  • 浴槽用、シャワー用
  • 河川水や井戸水を原水としているもの

浄水器の試験方法を定めたJIS S 3201(家庭用浄水器試験方法)でも、浄水器を「活性炭,精密ろ過膜,逆浸透膜などのろ材を用いて水道水中の溶存物質などを減少させる機能をもつ水処理器具」と定義しています。どちらも「水道水」を前提にしている点がポイントで、浄水器は「水道水を、家庭でもうひと手間かけて処理する器具」と整理できます。

浄水場との違いと、水道の中での浄水器の位置

浄水器は、水道水をつくる浄水場とは役割が違い、水道の「いちばん最後」で使う器具です。

川やダムなどから取り入れた水を、水道法の水質基準に合う水道水に処理するのは浄水場の役割で、浄水器はその水道水が蛇口に届いたあとで使うものだからです。浄水器協会のタイプ分類の解説によると、日本水道協会の規格では、浄水器を蛇口(給水栓)の手前に付けるもの、蛇口の先に付けるもの、蛇口とつながないポット・ピッチャー形の3つに分けています。

浄水場の工程は「浄水場の仕組みを図で徹底解説」で、「浄水」という言葉の2つの意味(浄水場の浄水と、浄水器の浄水)は「浄水とは?水道水との違い」で整理しています。

浄水器の仕組みは「吸着」と「ろ過」

多くの家庭用浄水器は、活性炭による「吸着」と、膜による「ろ過」を組み合わせて水をきれいにしています。

浄水器協会のろ材の解説では、活性炭で残留塩素やカルキ臭・カビ臭の原因となる有機物などを取り除き、0.4〜0.01ミクロンの穴があいた中空糸膜などで鉄サビや濁り、一般細菌などを取り除くと説明されています。同協会は「現在使用されている浄水器の多くは、活性炭式+中空糸膜のタイプ」としています。残留塩素については、活性炭の酸化還元作用で分解して減らすのが代表的な方法だと同協会のQ&Aにあります。

水道水が活性炭で残留塩素やにおいを吸着・分解され、中空糸膜で濁りや鉄サビをこし取られて浄水になる流れの図

法律で表示に使う「ろ材の種類」の名前は、次の6つと決められています(消費者庁)。

表示名どんなろ材か主なはたらき
活性炭粒状・粉状・繊維状の活性炭や、それを成型したもの残留塩素の分解、におい・有機物などの吸着
中空糸膜ストロー状の細い膜(多孔質中空繊維膜)濁り・鉄サビ・一般細菌などをこし取る
多孔質平膜小さな穴のあいた平らな膜粒子をこし取る
織布糸を織った布状のろ材比較的大きな粒子をこし取る
不織布繊維を織らずにからめてシート状にしたろ材比較的大きな粒子をこし取る
逆浸透膜水は通し、溶けている物質をほとんど通さない膜ミネラルなどのイオン類まで減らす

浄水器協会はこのほか、微細な穴をもつセラミックを使う「セラミック式」も紹介しています。ろ材ごとの仕組みの詳しい説明は「浄水器の仕組みとは?」、逆浸透膜は「浄水器の逆浸透膜(RO膜)とは?」で解説しています。

浄水器でミネラルは除去される?ろ材によって違う

一般的な「活性炭+中空糸膜」の浄水器では、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは基本的に除去されません。

ミネラルは水にイオンとして溶けていて、中空糸膜の網目よりずっと小さいためです。浄水器メーカーのクリンスイは公式サイトの解説で「カルシウムやマグネシウムは網目を通るので、ミネラル分は残っている」と説明しており、浄水器協会も活性炭+ろ過膜式について「ミネラル成分は除去しない」としています。ただし、すべての浄水器が同じではありません。

活性炭+中空糸膜ではカルシウムやマグネシウムが膜を通り抜け、RO膜ではミネラルも通さないことを比べた図
ろ材の組み合わせミネラル(カルシウム・マグネシウムなど)
活性炭+中空糸膜(主流)基本的に通す(もとの水道水とほぼ同じ)
逆浸透膜(RO膜)イオン類まで大きく減らす
イオン交換樹脂を内蔵したもの硬度成分を減らして軟水化する製品がある

イオン交換樹脂の例としては、クリンスイが2016年に発売したポット型浄水器で、カートリッジにイオン交換樹脂を使って水道水を軟水化すると発表していました。「ミネラルを残したい」「ミネラルを減らしたい」のどちらの場合も、パッケージの「ろ材の種類」を見れば、どのタイプかを確かめられます。

同じ原理は浄水場や海水淡水化でも使われている

活性炭による吸着や膜による分離は、家庭用だけでなく、社会のさまざまな水処理で使われている技術です。

たとえば東京都水道局はよくある質問で、通常の浄水処理を行う浄水場では粉末活性炭を入れてかび臭の原因物質を吸着・除去していると説明しています。逆浸透膜は海水から真水をつくる海水淡水化や、工業用の純水づくりにも使われています(詳しくはRO膜の記事)。家庭用浄水器は、こうした技術を蛇口まわりで使える大きさにまとめたものといえます。

浄水器の種類とパッケージ表示の読み方

浄水器は取り付け方で蛇口直結型・ポット型・据置型などに分かれ、どの物質をどれだけ減らせるかは、パッケージの「品質表示」で確かめられます。

タイプ別の全体像

浄水器は、取り付け方によって大きく次のタイプに分けられます。

浄水器協会のタイプ分類をもとに、取り付けの方法と、当サイトの詳しい記事をまとめました。

タイプどんなものか取り付け詳しい記事
蛇口直結型いまある蛇口の先に本体を取り付ける自分で後付けできる製品が多い蛇口直結型
ポット型(ピッチャー型)ポットに水道水を注いでろ過する。蛇口とつながない工事不要浄水ポット
据置型シンクの横などに本体を置き、ホースで蛇口とつなぐ蛇口に分岐を付ける据え置き型
アンダーシンク型(ビルトイン型)シンクの下に本体を収め、専用の水栓から浄水を出す専門工事が必要据え置き型の記事内
水栓一体型キッチンの水栓(蛇口)そのものに浄水カートリッジが組み込まれている水栓ごと交換する工事が必要水栓一体型
携帯型ボトルなどと一体になった持ち運べるタイプ不要携帯用

名前が似ている「蛇口直結型」と「水栓一体型」は別物です。蛇口直結型はいまある蛇口に後から取り付けるもの、水栓一体型は浄水機能が組み込まれた水栓に交換するもので、通常は施工業者による工事が必要になります。このほか浄水器協会は、水道水をろ過して冷水・温水を出す「サーバー形」、家全体の水栓に対応する「POE形」なども浄水器のタイプとして挙げています。タイプ横断の比較は「浄水器のおすすめランキング」にまとめています。

パッケージの「品質表示」で分かること

浄水器の性能は、パッケージや本体にある「品質表示」で確かめられます。

家庭用品品質表示法で、メーカーなどに表示が義務づけられているためです。消費者庁が示す表示事項は次のとおりです。

  • 材料の種類:水に触れる部分の主な材料
  • ろ材の種類:活性炭・中空糸膜など
  • ろ過流量:一定の時間あたりにろ過できる水の量(JIS S 3201の方法で測った値を、リットル単位で表示する)
  • 使用可能な最小動水圧:使うのに必要な水圧
  • 浄水能力:除去対象の物質ごとの「総ろ過水量」
  • 回収率:逆浸透膜のものだけ
  • ろ過水容量:ろ過した水をためるタイプだけ
  • ろ材の取替時期の目安
  • 使用上の注意:熱湯を流さない、浄水した水はできるだけ早く使う、など(製品に応じて表示し、該当しない項目は省略できる)
  • 表示者名等:表示した事業者の名前と住所または電話番号

「浄水能力」に書ける除去対象物質は、現在は次の12物質です(消費者庁)。

No.区分表示される物質名
1残留塩素遊離残留塩素
2濁り濁り
3揮発性有機化合物クロロホルム
4揮発性有機化合物ブロモジクロロメタン
5揮発性有機化合物ジブロモクロロメタン
6揮発性有機化合物ブロモホルム
7揮発性有機化合物テトラクロロエチレン
8揮発性有機化合物トリクロロエチレン
9揮発性有機化合物総トリハロメタン
10農薬2-クロロ-4・6-ビスエチルアミノ-1・3・5-トリアジン(通称CAT)
11かび臭2-メチルイソボルネオール(通称2-MIB)
12重金属溶解性鉛

物質ごとに付記される「除去率80パーセント」は、製品の除去率が80%しかないという意味ではありません。浄水器は使うにつれて性能が落ちていくため、「ろ過流量が50%に低下する」か「除去率が80%に低下する」かの早いほうまでに処理できる水の量を「総ろ過水量」として表示し、その基準が除去率80%であることを付記するしくみです(消費者委員会の資料)。

なお、以前は「1,1,1-トリクロロエタン」を含む13物質でした。この物質がオゾン層保護のための国際条約で製造・輸入禁止になったことから、2019年のJIS改正と2020年の表示ルールの改正で削除されています(消費者委員会の資料)。古い資料やパッケージで「13物質」と書かれているのはこのためです。

JIS規格と浄水器協会の役割

浄水器のJIS規格は「性能の測り方」をそろえるためのもので、浄水器協会は規格づくりや任意の認証を担う業界団体です。

JIS S 3201は、ろ過流量や除去性能などの「試験方法」を定めた規格で、浄水された水の合格基準を決めたものではありません。1999年に制定され、2019年に改正されたものが、2024年10月の見直しで「確認」(内容を変えずに継続)とされ、現在も有効です(日本規格協会)。規格の原案は、一般社団法人浄水器協会と一般財団法人日本規格協会が作成しています。浄水器協会によると、ほかに製品規格として家庭用浄水器(JIS S 3241)と家庭用逆浸透膜浄水器(JIS S 3242)があります。

浄水器協会は1972年に発足した浄水器の業界団体で、独自の規格(JWPAS)を定め、第三者委員の審査を経た製品に「適合マーク」の表示を認める制度を運用しています。この適合マークは任意の認証で、法律で義務づけられたものではありません。適合マークがない製品でも、家庭用品品質表示法の対象であれば品質表示は義務なので、性能はマークの有無ではなく、品質表示の「浄水能力」などで確かめるのが確実です。

浄水器のメリット・デメリット(できること・できないこと)

浄水器のメリットは残留塩素やカルキ臭などを家庭で手軽に減らせること、デメリットは表示にない物質の除去は保証されず、カートリッジ交換の手間と費用がかかり続けることです。

浄水器でできること

浄水器のメリットは、蛇口から出る水道水の残留塩素や、表示された物質を家庭で手軽に減らせることです。

東京都水道局はよくある質問で、水道水のカルキ臭は浄水器を通すことでも取り除けると案内しています。具体的には次のようなことが挙げられます。

  • 残留塩素を減らし、カルキ臭を和らげる(法令上の浄水器の必須機能)
  • 製品の表示にある物質(総トリハロメタン、かび臭、溶解性鉛など)を、表示された総ろ過水量の範囲で減らす
  • ろ過膜のある製品では、配管などに由来する濁りや鉄サビをこし取る
  • ペットボトルの水を買って運ぶ代わりに、蛇口やポットで飲み水・料理用の水を用意できる

ペットボトルの水と比べたときのコストの考え方は「浄水器とペットボトル・ミネラルウォーターはどっちが安い?」で比べています。

浄水器でできないこと・注意したいこと

浄水器は「どんな水でも、何でも取り除ける器具」ではありません。

除去性能は製品に表示された物質についての試験結果で、浄水器は水道水を通すことを前提に作られているためです。浄水器協会のQ&Aなどから、主な注意点をまとめます。

  • 表示にない物質:除去できるかどうかは保証されていない。放射性物質について浄水器協会は、除去能力を確かめるJIS規格がなく「一般的な浄水器では放射性物質は除去できないものとお考えください」としている(ろ材関連のQ&A)
  • 水道水以外の水:井戸水は水質検査で飲用に適すると確認された場合に使えるとされ、海外の水道水などでは浄水性能や安全性・衛生性は保証できないとされている。井戸水は「浄水器は井戸水対応できる?」を参照
  • お湯:浄水器協会は「浄水は35℃以下の水でご使用ください」としている。お湯を通すと、活性炭に吸着された物質が一時的に流れ出る可能性があるため
  • 浄水した水の保存:残留塩素が除かれるので、水道水より早めに使う必要がある。浄水器協会は冷蔵庫で保存する場合は1日以内としている

手間と費用がかかる点

浄水器は、カートリッジ(ろ材)を定期的に交換し続けることが前提の道具です。

ろ材には処理できる水の量に限りがあり、交換しないと目詰まりで水の出が悪くなったり、性能が落ちたりするためです。浄水器協会によると、カートリッジの寿命は蛇口直結型・水栓一体型で2〜12カ月、据置型・アンダーシンク型で1年くらいの製品が多いとされます。実際の交換時期は、製品の「ろ材の取替時期の目安」の表示で確認します。

手間・費用内容
カートリッジ代交換のたびにかかる。タイプや製品で交換間隔が違う
捨て水朝いちばんや長時間使わなかった後は、しばらく水を流してから使う
使い分け洗い物は原水、飲み水は浄水と切り替えると、カートリッジが長もちする
設置アンダーシンク型・水栓一体型は工事が必要
お手入れ本体や切り替えコックを清潔に保つ

交換を忘れたときのことは「浄水器のカートリッジ交換してないけど大丈夫?」、そもそも浄水器が必要かどうかの考え方は「浄水器は意味ないって本当?」で整理しています。

浄水器と似た機器との違い(軟水器・整水器・ウォーターサーバー)

浄水器は残留塩素などを減らす器具、軟水器は硬度を下げる装置、整水器はアルカリ性の水をつくる医療機器で、ウォーターサーバーは「浄水型」だけが浄水器の仲間です。

主な目的主な仕組み浄水器との関係
浄水器残留塩素・におい・濁りなどを減らす活性炭・中空糸膜など(主流)-
軟水器硬度(カルシウム・マグネシウム)を下げるイオン交換樹脂目的が違う。イオン交換樹脂を組み込んだ浄水器もある
整水器(アルカリイオン整水器)アルカリ性の水をつくる浄水した水を電気分解家庭用医療機器で、法律上の位置づけが違う
ウォーターサーバー冷水・温水を手軽に出す浄水型は水道水をろ過、宅配型はボトルの水を使う浄水型は浄水器協会が「サーバー形」の浄水器に含めている

浄水器と軟水器の違い

浄水器の主な目的が残留塩素などを減らすことなのに対し、軟水器は水の硬度(カルシウム・マグネシウムの量)を下げることを目的とした装置です。

軟水器には一般に、イオン交換樹脂という材料が使われています。シャープの技術論文では、食器洗い乾燥機の例として、イオン交換樹脂が水道水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンを取り込んで軟水をつくり、食塩水を流すとそれらを放出する仕組みが説明されています。軟水器も、基本的にはこうしたイオン交換を利用した装置と考えられます。

浄水器(活性炭+中空糸膜の場合)軟水器
主な目的残留塩素・におい・濁りなどを減らす硬度を下げる
主なろ材活性炭、中空糸膜イオン交換樹脂
ミネラル基本的に通すカルシウム・マグネシウムを減らす

前述のとおり、イオン交換樹脂を組み込んで軟水化する浄水器もあるため、製品ごとに「ろ材の種類」や説明を確認するのが確実です。

浄水器と整水器の違い

整水器(アルカリイオン整水器)は、浄水した水を電気分解してアルカリ性の水をつくる機器で、浄水器とは法律上の位置づけが違います。

アルカリイオン整水器協議会によると、整水器は家庭用医療機器で、厚生労働省の告示でその使用目的が定められています。浄水器が家庭用品品質表示法の対象の「家庭用品」であるのに対し、整水器は医療機器の制度の対象という違いがあります。整水器でつくる水については「アルカリイオン水とは?」で解説しています。

浄水器とウォーターサーバーの違い

ウォーターサーバーには、水道水をろ過する「浄水型」と、ボトル入りの水を届けてもらう「宅配型」があり、浄水器の仲間といえるのは浄水型です。

浄水器協会は、水道水を原水として浄水ユニットでろ過した水を、そのまま、または冷やしたり温めたりして出すものを「サーバー形浄水器」として浄水器のタイプに含めています。一方、宅配型はボトルに詰めた水(食品)を使う機器で、浄水器とは仕組みが異なります。浄水型サーバーの衛生管理は「浄水型ウォーターサーバーはカビが生える?」で扱っています。

浄水器とはについてよくある質問

浄水器を通した水はそのまま飲めますか?

浄水器協会はQ&Aで、「適切な維持管理(メンテナンス)が行われている浄水はそのままお飲みいただけます」と案内しています。カートリッジの交換や捨て水など、製品の説明書どおりに使うことが前提です。浄水器の水と水道水の違いは「浄水とは?水道水との違い」でまとめています。

浄水器を使うと水は軟水になりますか?

活性炭+中空糸膜の一般的な浄水器は硬度をほとんど変えないため、浄水器の水の硬度は、もとの水道水の硬度とほぼ同じです。水道水の硬度は地域によって違い、たとえば東京都水道局は区部の浄水場出口の年間平均値(令和6年度)を61.4mg/Lと公表しています。お住まいの地域の値は、水道局の水質検査結果で確認できます。

「JIS13物質除去」と「12物質」はどちらが正しいですか?

現在の表示ルールでは12物質です。2020年の改正で1,1,1-トリクロロエタンが除去対象物質から外れたため、それ以前の製品や資料では「13物質」と表記されていることがあります。メーカーによっては、浄水器協会の自主規格の対象物質を加えた数を「〇物質除去」と表記している場合もあるので、内訳は製品の表示で確認してください。

携帯用の浄水器や浄水シャワーも「浄水器」ですか?

家庭用品品質表示法では、アウトドア用・非常時用・シャワー用などは浄水器の表示ルールの対象外です。そのため、パッケージに同じ形式の品質表示があるとは限りません。一方、JISの家庭用浄水器の製品規格には「携帯形」が含まれ、浄水シャワーには浄水器協会の自主規格があります。携帯用の浄水器は「浄水器 携帯用の選び方」で整理しています。

浄水器にお湯を通してもいいですか?

一般的な浄水器にはお湯を通さないのが原則です。消費者庁の表示ルールでは「熱湯を流さない旨」が使用上の注意の項目に含まれ、浄水器協会は浄水を35℃以下の水で使うよう案内しています。お湯が必要なときは、浄水した水を沸かして使います。

「原水」と「浄水」の切り替えは何のためにありますか?

蛇口直結型や据置型にある切り替えは、フィルターを通さない水道水(原水)と、フィルターを通した水(浄水)を使い分けるためのものです。浄水器協会は、洗い物には原水、飲み水には浄水と使い分けるよう案内しています。仕組みは「浄水器の仕組みとは?」で解説しています。

まとめ:浄水器とは、水道水をもうひと手間処理する「交換前提の道具」

この記事では、浄水器の定義や仕組み、種類、表示の読み方、メリット・デメリット、似た機器との違いを、公的資料や業界団体・メーカーの公開情報をもとに整理しました。

浄水器は、水道水から残留塩素などを減らして飲み水を得るための器具で、主流の活性炭+中空糸膜タイプはミネラルを基本的に通します。何をどれだけ減らせるかはパッケージの品質表示で確かめられ、性能を保つにはカートリッジの交換が欠かせません。ミネラルまで減らしたいならRO膜、硬度を下げたいなら軟水器やイオン交換樹脂入りの製品、と目的に合わせて機器を選ぶのが分かりやすい整理です。

この記事で参考にした主な一次情報

いずれも2026年10月に内容を確認しています。

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