ミネラルウォーターのラベルで「硬水」「軟水」という言葉を見かけても、どこで区切られていて、具体的に何が違うのか、意外と説明しにくくありませんか?「日本の水道水はどっち?」「沖縄の水は硬いって本当?」と気になっている方もいるかもしれません。
この記事では、硬水と軟水の違いを、硬度の計算方法や分類の目安、日本と海外で差が出る理由、暮らしの中で違いが出る場面、硬水を軟水に変える方法、市販の水の硬度まで順番に整理しました。WHOの背景資料、環境省の水質基準、水道事業者の公開資料、日本の水道水の硬度を全国で調べた論文、メーカーの公式情報をもとにしています。なお、硬度による健康への影響は扱っていません(WHOは硬度のガイドライン値を設定していません)。
結論からいうと、硬水と軟水の違いは、水1Lに溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表す「硬度(mg/L)」です。硬度が低い水を軟水、高い水を硬水と呼びますが、境目の値は資料によって異なります。日本の水道水の硬度は平均約49mg/Lで、全国665地点の調査では約7割の地点が60mg/L未満の軟水でした。
この記事のポイント
軟水と硬水の違いを表にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 軟水 | 硬水 |
|---|---|---|
| 硬度の目安(例) | 60mg/L未満 | 120mg/L以上(60〜120mg/Lは「中程度の硬水」) |
| カルシウム・マグネシウム | 少ない | 多い |
| 味の傾向 | クセが少ない | 好き嫌いが出やすい |
| 石けん | 泡立ちやすい | 泡立てるのに多くの石けんや洗剤が必要 |
| 加熱したとき | 白い付着物(スケール)が付きにくい | 白い付着物(スケール)が付きやすい |
| 料理の例(メーカーの解説) | だし・ご飯などの和食、紅茶(味と香りがマイルドに) | 肉の煮込みなどの洋食、エスプレッソ(ビターな味わいに) |
| 日本の水道水 | 多くの採水地点はこちら(平均約49mg/L) | 関東や沖縄など、60mg/Lを超える地域もある |
硬度の目安は、WHOの背景資料で引用されている区分の例です。日本の法令には軟水・硬水の定義がなく、境目の値は資料によって違うため、迷ったときは硬度の数値で比べましょう。
硬水と軟水の違いとは?硬度で決まる水の分類
硬水と軟水の違いは「カルシウムとマグネシウムの量」
硬水と軟水の違いは、水に溶けているカルシウムとマグネシウムの量です。この量を数値にしたものを「硬度」と呼び、硬度が高い水を硬水、低い水を軟水といいます。
WHO(世界保健機関)の背景資料「Hardness in Drinking-water」では、硬度はもともと「水が石けんとどれだけ反応するか」を表す尺度だと説明されています。硬度のもとになるのは主にカルシウムとマグネシウムで、鉄やマンガンなど、ほかの金属のイオンもわずかに関わります。
米国地質調査所(USGS)も「水の硬度は、一般に水に溶けたカルシウムとマグネシウムの量」と説明しています。硬水と軟水は「水の種類」の名前ではなく、硬度という1つの物差しの上での呼び分けだと考えると分かりやすいでしょう。
硬度の計算式と単位(mg/L)
硬度は、カルシウムとマグネシウムの量を「炭酸カルシウムに換算すると何mgになるか」に置き換えて、1リットルあたりのmg(mg/L)で表すのが一般的です。WHOの背景資料でも、この表し方が最も一般的だとされています。
日本の水道水の硬度を全国で調べた論文(Hori et al., 2021, Scientific Reports)では、次の式が使われています。
硬度(mg/L) = カルシウム(mg/L)×2.497 + マグネシウム(mg/L)×4.118
メーカーの解説などでは、係数を「2.5」と「4.1」に丸めた式もよく使われます。たとえば、カルシウムが1Lあたり80mg、マグネシウムが26mgの水なら、80×2.5+26×4.1=306.6で、約307mg/L です。ラベルの栄養成分表示は「100mlあたり」で書かれていることが多いので、10倍して1Lあたりにしてから計算します。
硬水・軟水の基準は資料によって違う
「硬度何mg/Lから硬水か」という線引きは、1つに決まっていません。日本の法令や環境省の資料には、今回調べた範囲で「軟水」「硬水」の定義は見つかりませんでした。
よく引用されるのは、WHOの背景資料が文献から引用している次の区分です。WHO自身の基準ではなく、資料の結論では、ミネラルの最小・最大濃度を示すにはデータが不十分として、硬度のガイドライン値は設定していません。
| 区分(WHO背景資料が引用する区分) | 硬度(mg/L) | 原文の呼び方 |
|---|---|---|
| 軟水 | 60未満 | soft |
| 中程度の硬水 | 60〜120 | moderately hard |
| 硬水 | 120〜180 | hard |
| 非常な硬水 | 180超 | very hard |
USGSもほぼ同じ区分ですが、境目の扱いが少し違い、0〜60mg/Lをsoft、61〜120mg/Lをmoderately hard、121〜180mg/Lをhard、180mg/L超をvery hardとしています。
日本のメーカーの解説では、別の区切りも使われています。
神奈川県やエビアン日本公式サイトなど、日本語の資料では60〜120mg/Lの区分を「中程度の軟水」と訳している例もありますが、WHO資料の原文は moderately hard(中程度の硬水)です。境目の扱いも資料によって少しずつ違い、エビアン日本公式サイトは180mg/L以上を「非常な硬水」としています。同じ硬度60mg/Lの水でも、資料によって「軟水」とも「中程度の硬水」とも呼ばれるので、迷ったときは「硬水か軟水か」より「硬度何mg/Lか」で比べるのが確実です。ミネラルウォーターの種類と硬度の関係は「ミネラルウォーターとは?」でも整理しています。
日本の水道水の硬度には基準値と目標値がある
日本の水道水の硬度は、守らなければならない水質基準が300mg/L以下、おいしさの観点からの目標値が10〜100mg/Lと決められています。
環境省「水質基準項目と基準値(52項目)」では、「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」について次のように定めています。
| 区分 | 硬度 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 水質基準 | 300mg/L以下 | 水道水が守らなければならない基準 |
| 水質管理目標設定項目 | 10mg/L以上100mg/L以下 | おいしさなどの観点からの目標値 |
10〜100mg/Lという目標値は、1985年に厚生省(当時)の「おいしい水研究会」がまとめた「おいしい水の要件」の硬度の範囲と同じです(長野県企業局の解説)。水道水の基準全体については「水道水の水質基準とは?」で解説しています。
なお、ペットボトルなど容器入りの水の原水については、ミネラルウォーター類の品質表示ガイドラインで「硬度及びpH値を除き」水道の基準に適合することとされています。そのため、硬度300mg/Lを超える輸入ミネラルウォーターも販売されています。
硬水・軟水は英語で hard water / soft water
硬水は英語で hard water、軟水は soft water です。硬度は water hardness、家庭用の軟水器は water softener と呼ばれます。
WHOやUSGSの英語資料でも、この言葉がそのまま使われています。60〜120mg/Lの区分は moderately hard、180mg/Lを超える区分は very hard です。海外のホテルや住まいの案内で「hard water area」とあれば、硬度の高い水が出る地域という意味です。
日本は軟水、ヨーロッパは硬水が多い理由と国内の地域差
日本の水道水の硬度は平均約49mg/L
日本の水道水の硬度は平均約49mg/Lで、全体として軟水が多いことが調査で示されています。
Hori et al.(2021)は、2017〜2020年に全47都道府県の665地点で水道水を採り、硬度を測りました。日本の平均は48.9mg/L(中央値46.0mg/L)で、同じ研究で調べた海外の水道水と比べて低い値でした。665地点のうち468地点(約7割)が60mg/L未満です。ただし論文は、採水地点の数が少なく分布も均一でないため、データの解釈には限界があるとしています。
| 国・地域 | 水道水の硬度の平均(mg/L) |
|---|---|
| 日本(665地点) | 48.9 |
| ニュージーランド | 37.8 |
| 中国 | 114 |
| フランス | 178 |
| ドイツ | 187 |
※同論文の採水結果。海外は採水地点が数か所〜十数か所と少ないため、国全体の平均ではなく参考値です。
理由は地形と、水が地中や川にとどまる時間の短さ
日本に軟水が多い理由として、同じ論文は、地形が急で雨が地中や川にとどまる時間が短いことなど、地形と地質を挙げています。
国土の約7割が山地で地形が急なため、雨はすばやく流れ出し、川は短く(最長370km)、勾配も急です。そのため川の水がとどまる時間が短く、岩石からカルシウムなどが溶け込みにくいと説明されています。一方、ヨーロッパの多くの国では水道水源が地下水で、石灰岩の地質を通った水はカルシウムが多く硬水になるとしています。
WHOの背景資料も、硬度の主な自然の供給源は堆積岩、特に石灰岩やチョークだとしています。日本河川協会のコラムでも、勾配が緩く長い大陸の川は長い時間をかけて物質を溶かし込むのに対し、日本の川は降った雨が短時間で海に出る、という違いが紹介されています。雨や雪が地下にしみ込み、地下水になる流れは「地下水とは?」で解説しています。
国内でも地域差がある:関東はやや高め、沖縄は石灰岩の影響
日本の中でも硬度には地域差があり、同じ論文では北海道・東北で低く、関東で高い傾向が示されています。
都道府県別の平均で高かったのは、千葉83.4、埼玉82.8、熊本72.2、沖縄68.1、東京65.8mg/Lでした。論文では、関東の水源である利根川の下流側で取水しているため水がとどまる時間が長いこと、関東平野の地層からカルシウムやマグネシウムが溶け出しやすいことを理由に挙げています。
沖縄については、中南部に琉球石灰岩が広がり、川や地下水にカルシウムが多いと説明されています。沖縄県企業局の資料によると、北谷浄水場の水源の嘉手納井戸群は石灰層にあり、原水の総硬度は330mg/L(平成7〜14年度の平均)でした。企業局は硬度を下げる施設(流動床式晶析軟化法、いわゆるペレット法)を導入し、2003年6月から使っています。処理後の硬度は80mg/Lと示されています。
自分の地域の水道水の硬度は、各水道事業者が公表している水質検査結果で確認できます。水道局などの公式サイトで「水質検査結果」のページを開き、「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」という項目の値を見ます(環境省の水質基準項目と同じ名前です)。浄水場や給水区域ごとに分けて公表している水道事業者もあるので、自分の住所がどこから給水されているかもあわせて確認しましょう。
硬水と軟水で暮らしの何が変わる?味・家事・料理の違い
味の違い:硬度が低いとクセが少なく、高いと好みが分かれる
硬度は、水の味の感じ方に関わる要素の1つです。
前述の「おいしい水の要件」では、硬度について「低いとクセがなく、高いと好き嫌いが出ます。また、マグネシウムの多い水は苦味を増します」と説明されています(長野県企業局)。WHOの背景資料でも、溶けているミネラルは水の味に影響し、受け入れられるかどうかは個人の好みや慣れによるとされています。ミネラルをほとんど取り除いた水は味が平板になりやすく、味のためにミネラルを加えるメーカーもあるそうです。
「硬水はまずい」「軟水はおいしい」と決まっているわけではなく、慣れた水との違いが味の印象に出やすい、と考えておくとよいでしょう。
石けんの泡立ちと、やかんの白い付着物
暮らしの中で硬度の違いが目に見えやすいのは、石けんの泡立ちと、水回りの白い汚れです。
WHOやUSGSは、硬水では石けんがカルシウムなどと反応してしまうため、泡立てるのにより多くの石けんや洗剤が必要になると説明しています。また、硬水を加熱すると炭酸カルシウムなどが固まって付着し(スケール)、給湯器や配管の効率が落ちる原因になるとしています。
日本の水道水でも、やかんや加湿器、蛇口のまわりに白い固まりが付くことがあります。さいたま市水道局によると、これは水道水に含まれるカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分が、水の蒸発によって固まったもので、安全性に問題はないとのことです。取り除くときは、お酢やクエン酸で傷つけないようにこすり落とす方法が案内されています。
料理・お茶での使い分け(メーカーの解説)
メーカーの解説では、軟水はだしやご飯などの和食に、硬水は肉の煮込みなどの洋食に合うとされています。料理やお茶との相性について、次のような使い分けが紹介されています。
日本コカ・コーラのQ&Aでは、次のように説明されています。
神奈川県も、軟水は日本食に、硬水はシチューなどの洋風料理に適していると言われている、と紹介しています。ご飯を炊く水については「浄水器の水でご飯を炊くと美味しくなる?」もあわせてご覧ください。
硬水と軟水の見分け方は「数値を確認する」
硬水か軟水かは、見た目や味だけで見分けるのは難しいため、硬度の数値を確認するのが確実です。
- ミネラルウォーター:ラベルや公式サイトに硬度が書かれていればそれを見る。書かれていなければ、栄養成分表示のカルシウムとマグネシウムから計算する(前述の式)
- 水道水:住んでいる地域の水道事業者が公表している水質検査結果の「硬度」の欄を見る
- 浄水器を通した水:活性炭・中空糸膜タイプなら、もとの水道水とほぼ同じと考える(後述)
ミネラルウォーター類の品質表示ガイドラインでは、硬度の表示は義務になっていません。そのため、硬度の書かれていない商品もあります。
市販の水の硬度一覧(公式情報で確認できたもの)
よく名前の挙がる市販の水の硬度を、メーカーの公式サイトで確認できたものだけまとめました。硬度は採水地やロットによって変わることがあるため、「確認日」の時点の公式表示として見てください。
| 商品 | 硬度 | 公式の表記 | 採水地 | 補足 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| エビアン | 304mg/L | 硬水 | フランス(フレンチアルプス) | 100mlあたりカルシウム8.0mg・マグネシウム2.6mg | 2026年10月18日 |
| クリスタルガイザー(大塚食品) | 38mg/L | 軟水 | 米国カリフォルニア州(マウントシャスタの麓) | 100mlあたりカルシウム0.64mg・マグネシウム0.54mg | 2026年10月18日 |
| い・ろ・は・す 天然水(日本コカ・コーラ) | 100mg/L未満 | 軟水 | 国内の複数の採水地(ラベルで確認) | 採水地ごとの数値は公式サイトで確認できず | 2026年10月18日 |
| サントリー天然水 | 約10〜80mg/L | 採水地によって異なる | 南アルプス・北アルプス・奥大山・阿蘇 | 採水地ごとに硬度が違う | 2026年9月26日 |
購入するときは、ラベルや公式サイトの最新の表示を確認してください。サントリー天然水の採水地ごとの違いは「サントリー天然水の産地・種類一覧」で紹介しています。ほかにも硬度の高い輸入ミネラルウォーターはありますが、今回は公式情報で数値を確認できなかったものは載せていません。
「鉱水」と「硬水」は別の言葉
「硬水」と読みが同じ「鉱水」は、硬度とは関係のない、原水の種類を表す言葉です。
ミネラルウォーター類の品質表示ガイドラインでは、鉱水を「ポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水」と定義しています。ラベルの原材料名には「水(鉱水)」のように原水の種類を書くことになっていて、ほかに「鉱泉水」「湧水」「温泉水」「浅井戸水」「深井戸水」などがあります。
| 言葉 | 意味 | どこで見るか |
|---|---|---|
| 硬水 | カルシウム・マグネシウムが多い水(硬度が高い水) | 硬度の数値、メーカーの説明 |
| 鉱水 | ポンプ等でくみ上げた、溶けている鉱物質に特徴のある地下水 | ラベルの原材料名「水(鉱水)」 |
「水(鉱水)」と書かれた水が軟水であることもあれば、硬水であることもあります。硬いかどうかは、原材料名ではなく硬度の数値で確認しましょう。ラベルの品名の読み方は「天然水とは?」でも解説しています。
硬水を軟水に変えるには?煮沸・軟水器・浄水器の違い
煮沸で減るのは硬度の一部だけ
水を沸かすと硬度の一部は下がることがありますが、すべてが取り除けるわけではありません。
WHOの背景資料では、硬度を「炭酸塩硬度(一時硬度)」と「非炭酸塩硬度(永久硬度)」に分けて考える場合があると説明されています。化学の解説では一般に、炭酸水素イオンとともに溶けている分(一時硬度)は煮沸すると炭酸塩として沈殿し、硫酸イオンや塩化物イオンなどとともに溶けている分(永久硬度)は煮沸しても残る、と説明されています。やかんに付く白い固まりは、こうした沈殿や蒸発で固まったミネラルです。
ただし、どれだけ下がるかは水の成分によって変わります。家庭で「沸かせば軟水になる」とは言い切れない点に注意してください。
軟水器はイオン交換で硬度成分をナトリウムに置き換える
硬度をしっかり下げたいときに使われるのが、軟水器(water softener)です。
WHOの背景資料によると、家庭の入り口に付けるイオン交換式の軟水器は、水に含まれるカルシウムやマグネシウムを取り除き、2価のイオン1個をナトリウムイオン2個に置き換えます。配管や給湯器のスケールが減る、洗濯がしやすくなるといった利点がある一方、飲み水のナトリウム(と塩化物)は増えると説明されています。そのため、給湯側だけを軟水にする、台所の蛇口には軟水にしない水を回すといった方法も挙げられています。
水道の浄水場でも、硬度を下げる処理が行われる場合があります。前述の沖縄県企業局の北谷浄水場は、その例です。
一般的な浄水器では硬度はほとんど変わらない
家庭用の浄水器の多くは、硬度をほとんど変えません。
活性炭と中空糸膜を使う一般的な浄水器について、クリンスイは「カルシウムやマグネシウムは網目を通るので、ミネラル分は残っている」と説明しています。同じ記事では、イオン交換樹脂を使う一部の製品は硬度成分を軟水化できるとも紹介されています。浄水器がどんな仕組みで何を取り除き、何が残るかは「浄水器の仕組みとは?」で解説しています。
| 方法 | 硬度への影響 |
|---|---|
| 煮沸 | 一時硬度の分が沈殿して下がることがある。永久硬度の分は残る |
| 活性炭・中空糸膜の浄水器 | ほとんど変わらない |
| イオン交換樹脂(軟水器・一部の浄水器) | カルシウム・マグネシウムをナトリウムなどに置き換えて下げる |
| RO膜(逆浸透膜)・蒸留 | ミネラルをほぼすべて取り除く |
RO膜の浄水器はミネラルもほぼ取り除くため、硬度はごく低くなります(WHOの背景資料)。仕組みは「浄水器の逆浸透膜(RO膜)とは?」をご覧ください。
硬水と軟水についてよくある質問
日本の水道水は硬水ですか、軟水ですか?
全体として軟水の傾向があります。全国665地点を調べた論文では、日本の水道水の平均硬度は48.9mg/Lで、約7割の地点が60mg/L未満でした。ただし関東や沖縄など平均が60mg/Lを超える地域もあり、区切り方によっては「中程度の硬水」に当たる地域もあります。正確な値は、地域の水道事業者の水質検査結果で確認できます。
沖縄の水は硬水ですか?
場所によって違います。沖縄県は、琉球石灰岩の影響で原水のカルシウムが多い地域があります。論文の採水では県全体の平均が68.1mg/Lで、海水淡水化の水などで硬度の低い地点もあり、場所による差が大きいとされています。北谷浄水場では、硬度を下げる施設が2003年から使われています。
硬水と軟水、どちらが体に良いのですか?
当サイトでは、健康への影響は扱っていません。WHOは背景資料の中で、データが不十分として硬度のガイドライン値を設定していません。体調や持病に関わることは、医師などの専門家に相談してください。
ペットボトルの水に硬度が書いていないときはどうすればいいですか?
栄養成分表示のカルシウムとマグネシウムから計算できます。100mlあたりの値を10倍して1Lあたりにし、「カルシウム×2.5+マグネシウム×4.1」で概算します。成分の表示もない場合は、メーカーの公式サイトや問い合わせ窓口で確認するのが確実です。
浄水ポットの水は軟水になりますか?
活性炭や中空糸膜でろ過するタイプなら、硬度はもとの水道水とほぼ同じです。もとの水道水が軟水なら、浄水後も軟水のままという関係です。浄水ポットの仕組みは「浄水ポットとは?」で解説しています。
ウォーターサーバーの水の硬度はどう確認しますか?
ボトルのラベルや、メーカーの公式サイトの成分表示で確認します。天然水を使うものと、RO膜でろ過した水にミネラルを加えたものがあり、硬度は商品によって違います。
まとめ:硬水と軟水の違いは「硬度の数値」で比べる
この記事では、硬水と軟水の違いを、公的資料やメーカーの公開情報をもとに整理しました。
硬水と軟水の違いは、カルシウムとマグネシウムの量を表す「硬度」です。何mg/Lから硬水と呼ぶかは資料によって違うため、比べるときは数値を見るのが確実です。日本の水道水は地形の影響で軟水が多いものの、関東や沖縄のように比較的高い地域もあります。硬度を下げたいときは、浄水器の種類によって効果が違う点に気をつけましょう。硬水・軟水のほか、天然水・純水などとの違いは「水の種類と違いを一覧で整理」でまとめています。
この記事で参考にした主な一次情報
- WHO「Hardness in Drinking-water」(飲料水の硬度に関する背景資料、2011年)
- 環境省「水質基準項目と基準値(52項目)」
- Hori M, et al. “A survey of monitoring tap water hardness in Japan and its distribution patterns” Scientific Reports (2021)
- 沖縄県企業局「北谷浄水場 硬度低減化施設」
- 農林水産省「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」(全国清涼飲料連合会掲載)
- USGS「Hardness of Water」
- さいたま市水道局「水質に関するよくあるお問合せ」

